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ジキル博士とハイド氏~二重人格ものの古典的名作で英語多読(Oxford Bookworms Library)

(2024.2.4)

この本はこんな方におすすめ
・二重人格もののクラシック作品、ホラー系等に興味のある方。
・英語難易度の目安は英検2級~準1級レベル

記事の概要
・二重人格もの小説の古典、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの「ジキル博士とハイド氏」(1886年)のOxford編纂版、Dr Jekyll and Mr Hydeをを読みましたので、本の概要、あらすじ、登場人物一覧、英語の難易度などをまとめます。
・ホラーっぽい雰囲気もあるのでそういうジャンルが好きな方にもおすすめです。
・書籍から実際の英文を一部引用して和訳します。ご自身の英語レベルに見合っているかどうかご確認頂き、洋書を読むかどうかご判断頂ければと思います。
・名作を読みやすく編纂したOxford Bookworms Libraryの中のレベル4です。英語学習中級向け。

1.はじめに

二重人格と言えばまず思い浮かぶ作品、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの「ジキル博士とハイド氏」(Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde)(1886年)のOxford編纂版、Dr Jekyll and Mr Hydeを読みました。古い作品ですが、Oxford編纂版なら短く分かりやすい英語に再編集されており、2012年に出版されたものですので、古典の名作を現代の英語で分かりやすく手軽に楽しめます。
人間誰しも二面性はあるものですが、この本ではそれを鬼気迫る恐ろしさで描いており、ホラー要素も強めだと感じました。普遍的なテーマを扱っているので、現代においても色あせない名作です。
この記事ではOxford編纂版「ジキルとハイド」の本の概要、あらすじ、主要登場人物、英語の難易度などをまとめます。また、書籍から英文を一部引用・和訳します。洋書の世界観を味わって頂き、気に入ったら是非お読み頂ければと思います。

2.本の概要|Dr Jekyll and Mr Hyde (ジキルとハイド)

題名 Dr Jekyll and Mr Hyde
Level 4 Oxford Bookworms Library
著者 編纂 Rosemary Border
イラスト:Paul Dickinson
オリジナル版 Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde

Robert Louis Stevenson著 (1886年)

ジャンル ファンタジー&ホラー
出版社 Oxford University Press
出版年 2012年
ページ数 89ページ
単語数 12,520 words

参考:Wikipedia ジキル博士とハイド氏

Dr Jekyll and Mr Hyde Level 4 Oxford Bookworms Library
created by Rinker

・あらすじ

弁護士のMr Uttersonは親戚で親友でもあるEnfieldとロンドンの街を散歩していた。ある時細い脇道の不気味な建物を見て、Enfieldはそこで以前見たHyde氏について語った。
Hyde氏は自分とぶつかって転んだ少女を踏みつけて立ち去ろうとしたが、少女の家族ともめ事になり、お金で解決する事に。その際の小切手のサインは医師のHenry Jekyll博士のものだった。
Mr UttersonはJekyll博士の遺言を預かっており、その内容は「自分が死亡もしくは失踪した際には、Edward Hyde氏が財産を相続する」というものだった。怪しいHyde氏について気になったMr Uttersonは、彼の家を見に行ったが、その建物はJelyll博士の屋敷から続く実験室だった。待ち伏せしてHyde氏と出会ったMr Uttersonだったが、彼は小柄で、嫌悪感に満ちた不気味な男だった。
ある時Uttersonの顧客でもあったSir Danvers Carewが撲殺される事件が起きた。凶器のステッキが半分に割れていたが、Hyde氏の住居でそれと一致する残り半分が出てきた。

Sir Danvers Carew殺害事件の犯人とは…。
果たしてJekyll博士とHyde氏の関係とは…。
調査を進めていく中で衝撃の事実が発覚する…。

・主要登場人物一覧

この章ではDr Jekyll and Mr Hyde (ジキルとハイド)に登場する主要な登場人物を以下にまとめます。以下の人物を把握しておけば物語の中で迷子にならずに読み進められると思います。

Mr Utterson (Gabriel John Utterson):真面目な弁護士。主人公。
Richard Enfield:Mr Uttersonの親戚であり親友。一緒に散歩をしている。
Doctor Henry Jekyll:医師のジキル博士。優秀な医者。遺産を全てEdward Hyde氏に相続するという内容の遺書をアターソンに預けていた。
Edward Hyde:ハイド氏。ジキル博士と親密(?)な謎の人物。不快感の塊の様な外見。
Doctor Lanyon:ラニョン博士。ジキル博士の旧友。
Poole:ジキル博士の召使い
Sir Danvers Carew:ハイド氏に撲殺されたと思われる。Mr Uttersonの顧客だった。

本の中で、The lawyerと出てきたら、基本的にMr Uttersonの事、The servantと出てきたらJekyll博士の召使いのPooleの事です。

・洋書の英語レベル、難易度

Oxford編纂版のDr Jekyll and Mr Hyde (ジキルとハイド)の英語難易度は、中級向けです。Oxford Bookworms Libraryのレベル4となっており、英検で言うと2級~準1級レベルです。TOEICスコアで言うと750点前後といった所だと思います。時々意味の分からない単語が出てきても、それ位の英語力があれば文脈から推測しながら読み進めていく事が出来ると思います。1ページにつき分からない単語が1~2個は出てきても、支障ありません。

・本の感想|おすすめ度 星4/5つ中

Oxford編纂版のDr Jekyll and Mr Hyde (ジキルとハイド)の英語多読学習教材としてのおすすめ度は星4つ(5点満点中)です。英語は難なく読み進められましたし、不気味な雰囲気な物語で先が気になってどんどん読めました。原作者のロバート・ルイス・スティーヴンソンは、古典の名作冒険小説「宝島」の作者でもあります。「宝島」「ジキルとハイド」の2冊ともオックスフォード編纂版で読みましたが、作風が全く違い、同じ作者とは思えませんでした。
「ジキルとハイド」の作風は、おどろおどろしい雰囲気で、ホラー系が好きな方にはおすすめです。二重人格モノ小説の定番で、人間の内面にある普遍的なテーマなので今でも色あせない不朽の名作です。Oxford編纂版は以下の様な挿絵入りで、イメージが膨らみやすいので、英語学習者にはありがたいです。

3.書籍から英文引用・和訳| Dr Jekyll and Mr Hyde (ジキルとハイド)

この章ではOxford編纂版のDr Jekyll and Mr Hyde (ジキルとハイド)から、実際の英文を引用・和訳していきます。不気味な世界観が少しでも伝われば幸いです。

📝冒頭より主人公Mr Uttersonの紹介

Mr Utterson the lawyer was a quiet, serious man. He was shy with strangers and afraid of showing his feelings. Among friends, however, his eyes shone with kindness and goodness.

Stevenson, Robert Louis. Dr Jekyll and Mr Hyde Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.8). Oxford University Press. Kindle 版.

ミスターアターソンは寡黙で真面目な弁護士だった。彼は人見知りで、感情表現が苦手だった。だが友人といると彼の目は良心で輝いていた。

📝友人のEnfieldが明朝にHyde氏を見かけた時の話

‘I was coming home about three o’clock on a black winter morning, when suddenly I saw two people. The first was a short man who was walking along the street, and the second was a little girl who was running as fast as she could. Well, the two bumped into each other and the child fell down.

Stevenson, Robert Louis. Dr Jekyll and Mr Hyde Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.9). Oxford University Press. Kindle 版.

「冬の明朝3時の真っ暗な時間に帰宅していた際に、2人の人を見かけたんだ。1人目は背が低い男で、通り沿いを歩いていた。2人目は早歩きしていた少女だった。その2人がぶつかって少女が倒れたんだ。」

📝ジキル博士の遺言

It contained the will of Doctor Henry Jekyll, and was written in the doctor’s own handwriting. ‘If I die, or if I disappear for more than three months,’ the will began, ‘I wish to leave everything I own to my dear friend Edward Hyde.’

Stevenson, Robert Louis. Dr Jekyll and Mr Hyde Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.13). Oxford University Press. Kindle 版.

そこにはヘンリー・ジキル博士の遺言が直筆で書かれていた。「もし私が死ぬか、3か月以上いなくなったら…」「私の全資産を親友のエドワード・ハイド氏に相続する」と書かれていた。

📝Sir Danvers Carewが殺害された際の凶器が見つかった時の検査官とMr Uttersonのやり取り

‘Thank you, sir,’ said the inspector. ‘And do you recognize this?’ He showed Mr Utterson the broken stick and told him the servant girl’s story. Mr Utterson knew the stick at once. ‘That’s Henry Jekyll’s stick!’ he said to himself. ‘I gave it to him long ago.’

Stevenson, Robert Louis. Dr Jekyll and Mr Hyde Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.20). Oxford University Press. Kindle 版.

検査官は「ありがとうございます。これに見覚えがありませんか?」と言った。彼はアターソン氏に壊れた杖を見せ、少女の件を話した。アターソンはその杖を見てすぐに分かった。彼は心の中で「それはヘンリー・ジキル氏の杖だ!」、「私が彼に昔あげた杖だ」と思った。

4.さいごに

この記事ではOxford編纂版のDr Jekyll and Mr Hyde (ジキルとハイド)について、本の概要、あらすじ、主要登場人物、英語の難易度などをまとめました。
二重人格ものの名作で、19世紀の作品でありながら人間の普遍的な性質を描いているので色あせない名作だと思います。Oxford編纂版は読みやすく改変されていますので、古典の名作を手軽に楽しめます。不気味な世界観でホラー要素が感じられますので、そっち系のジャンルが好きな方で英語を学習している方にはとてもおすすめです。
さいごまで読んで頂きありがとうございました。

第2章に戻って本の情報を見る

おわり

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