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アメリカの歴史を洋書で学ぶ~The History of the United States【多読】

(2024.7.7)

この本はこんな方におすすめ
アメリカの歴史の流れを英語で学びたい方。
・英語レベルは、TOEICスコア800~850点あった方が良さそう。

記事の概要
・アメリカ大陸「発見」から現代までの歴史が全体的に学べる本、The History of the United Statesを読みました。
・本の概要、米国史の重要事項年表、英語の難易度などをまとめます。
世界一の大国の視点から歴史を知る事で、現代に繋がるメインストリームの世界史が把握でき、おすすめです。

1.はじめに

アメリカ合衆国と言えば、現在世界一の大国で、我々日本人のライフスタイルにも多大な影響を与えている国です。
スマートフォン(→Apple)、パソコン(→Microsoft)、インターネット(→Google)、ネットショッピング(→Amazon)、SNS(→X, Instagram)等、現代の生活のあらゆるものがアメリカから来ているんじゃないかと思うレベルです。
そんな大国アメリカの歴史を学べる本、The History of the United Statesを読みました。世界一の大国の視点から見た歴史を知る事で、現代に繋がる「メインストリームの世界史」が把握でき、知的好奇心がとてもくすぐられる読書体験が出来ました。
要所で日本も出てきますので、日本という国をまた別の視点から捉える事が出来るのではないかと思います。とてもおすすめの一冊です。

この記事では本の概要と、米国史の重要事項をまとめた年表、洋書の英語難易度などをまとめていきます。書籍から一部実際の英文を引用・和訳しますので、洋書を読むかどうかの参考にして頂ければ幸いです。

2.本の概要|The History of the United States

The History of the United States|Captivating History (著)
created by Rinker

題名 The History of the United States
著者 Captivating History
(Xアカウント:@CaptivHistory)
ジャンル 歴史
出版年 2019年
ページ数 127ページ

・米国史概略年表

この章では、本の中で出てきた重要だと思った事項を独断と偏見でまとめ、年表にしてみました。

1492年 コロンブスによるアメリカ大陸の「発見」
※それ以前にバイキングの船が北アメリカに到達していたという説あり。
1614年 誘拐された原住民のPocahontasとJohn Rolfeが結婚
※争いの絶えなかった侵略者達とネイティブアメリカンの間の貴重な愛の話。
1773年 ボストン茶会事件 (The Boston Tea Party)
※宗主国イギリスからの重い税制に反抗
1775~1783年 アメリカ独立戦争
1776年 アメリカ独立宣言

1838年 原住民のチェロキー族が故郷を追われる、Trail of tears (涙の道)
1850年代 カリフォルニアでゴールドラッシュ
※ここでもネイティブ・アメリカンが土地を奪われる。
1861~1865年 南北戦争(The Civil War)
※北部は奴隷解放を求めたが、南部はタバコやコットン等のプランテーションの為に黒人奴隷を必要とした。
1865年 リンカーン大統領暗殺事件
1870年代 黒人に選挙権(憲法修正第15条)、KKK(クークルックスクラン)の誕生はこの頃
1898年 Spanish-American War(米西戦争)

1914年 第一次世界大戦
1920年 女性参政権が認められる
1929年 Wall street crashから世界恐慌(The Great Depression)が起こる
1930年代 ルーズベルト大統領のニューディール政策
1941年12月7日 パール・ハーバー (日本軍による真珠湾攻撃)
※これを受けアメリカ合衆国が第2次世界大戦に本格参戦

1945年~1989年 冷戦の時代
1962年 キューバ危機
1963年 ケネディ大統領暗殺

1961年 ソ連のユーリイ・ガガーリンが世界初の有人宇宙飛行に成功
1969年 アポロ11号でニール・アームストロングが月面探索

1968年キング牧師が殺害される
1989年 ベルリンの壁崩壊
1990年 湾岸戦争 (イラクのサダム・フセイン大統領のクエート侵攻に端を発する)
1991年 ソ連崩壊、冷戦終結

テロ戦争の時代
2001年 911同時爆破テロ、アフガニスタン戦争
2003年 イラク戦争
2008年 バラク・オバマが黒人初の大統領

・洋書の英語レベル、難易度

The History of the United Statesは、英語ネイティブが書いた歴史の本ですので難易度は高めだと思いました。やさしく書かれている方だとは思いますが、TOEICスコア800~850点程度はあった方が良さそうです。127ページというボリュームでサクッと米国史全体を学ぶ事が出来ますので、アメリカの歴史を英語で初めて学びたい方への入門書としてはとてもおすすめの一冊です。

・本の感想~英語多読でのおすすめ度は星4.5/5つ中

米国は「世界の中心」で、我々の生活に多大な影響を及ぼしている国です。そんな大国の視点で世界史を学び、日本の歴史と照らし合わせながら考える事で、歴史の捉え方のレイヤーが厚くなるので、米国史を学ぶ事は絶対におすすめです。例えばアメリカで原住民との争いや独立戦争をしていた時代、日本は江戸時代です。
読んでいて思った事は、アメリカは建国以前からネイティブ・アメリカンと土地を巡って争いが絶えず、常に戦争をしているという事でした。土着の土地に足をつけて歴史や文化を築いてきた日本と比べると、全く異なる歴史だなと感じました。このThe History of the United Statesを読めば、今までふわふわとしていたアメリカのイメージが良くも悪くもしっかりとしたものになると思います。
英語でアメリカの歴史を学ぶ体験は、英語を学んでいる全ての方におすすめしたい事なのですが、必ずしもこの本でなくても良いとは思いました。この書籍は米国史の流れが比較的読みやすい英語で書かれている良書でしたが、写真や挿絵などの資料がもう少し多くあると読みやすくなって、書籍としてより素晴らしいものになっていたのではないかなと感じました。その点で星マイナス0.5で、おすすめ度は星4.5(5点満点中)です。

3.書籍から英文引用・和訳|The History of the United States

この章ではThe History of the United Statesより、実際の英文を一部引用して和訳していきます。洋書にチャレンジするかどうか判断する材料にして頂ければと思います。

📝1700年までにイギリス系のアメリカ入植者の数は25万人を超えていた

By 1700, thousands of colonists from all over Europe had arrived in North America and established roots there despite the odds, and the English population of North America numbered a quarter of a million.

History, Captivating. The History of the United States: A Captivating Guide to American History, Including Events Such as the American Revolution, French and Indian War, Boston … Gulf War (U.S. History) (English Edition) (p.25). Kindle 版.

1700年までに何千もの入植者が北アメリカに到達しており、人種の比率に関わらず(国の)ルーツを形成していた。北アメリカのイギリス人の人口は25万人に達していた。

📝コロニアリズムに関する筆者のコメント

What has now been called “colonization” must have looked, to the Native American eye, like nothing short of an invasion.

History, Captivating. The History of the United States: A Captivating Guide to American History, Including Events Such as the American Revolution, French and Indian War, Boston … Gulf War (U.S. History) (English Edition) (p.27). Kindle 版.

今日で言う「植民地化」は、ネイティブアメリカン(先住民)の目から見れば、ほかならぬ侵略でしかなかったに違いない。

📝アメリカ独立

In 1783, Great Britain finally acknowledged the independence of America with the Treaty of Paris.

History, Captivating. The History of the United States: A Captivating Guide to American History, Including Events Such as the American Revolution, French and Indian War, Boston … Gulf War (U.S. History) (English Edition) (p.42). Kindle 版.

1783年、大英帝国がフランスの仲介でついにアメリカの独立宣言を容認した。

📝ゴールドラッシュ

Marshall’s discovery of gold on January 24th, 1848 in the American River was at first met with suspicion.

History, Captivating. The History of the United States: A Captivating Guide to American History, Including Events Such as the American Revolution, French and Indian War, Boston … Gulf War (U.S. History) (English Edition) (p.61). Kindle 版.

1848年1月24日のマーシャルによるアメリカン川での金の発見は、当初懐疑の目で見られていた。

📝第一次世界大戦

When WWI broke out on June 28th, 1914, Wilson had hurried to declare the United States’ neutrality.

History, Captivating. The History of the United States: A Captivating Guide to American History, Including Events Such as the American Revolution, French and Indian War, Boston … Gulf War (U.S. History) (English Edition) (p.79). Kindle 版.

第一次世界大戦が勃発した1914年6月28日、ウィルソン(大統領)は早急に米国の中立的立場を表明した。

📝第二次世界大戦時の枢軸国

The Axis, however—comprising of Germany, Italy, and Japan, all at the time fascist nations bent on expanding their empires—was determined to drag the United States into it.

History, Captivating. The History of the United States: A Captivating Guide to American History, Including Events Such as the American Revolution, French and Indian War, Boston … Gulf War (U.S. History) (English Edition) (p.90). Kindle 版.

一方、枢軸国(ドイツ、イタリア、日本など、帝国拡大主義に傾倒していた当時のファシスト国家で構成される)は、それ(戦争)にアメリカを引きずり出そうと画策していた。

※アメリカからの視点で書かれた歴史書なので、当時の日本をはっきりとファシスト国家と定義しており、そういう見方をしているのかとハッとさせられました。

📝原爆投下に対する米国側の考え方

After Japan’s refusal to surrender, Truman had to make the call. It was time to end the Second World War.

History, Captivating. The History of the United States: A Captivating Guide to American History, Including Events Such as the American Revolution, French and Indian War, Boston … Gulf War (U.S. History) (English Edition) (p.92). Kindle 版.

日本が降伏を拒否した後、トルーマン大統領は決断しなければならなかった。それ(原爆投下)は第二次世界大戦を終わらせるためだった。

※原子力爆弾に関して、映画化もされたオッペンハイマーに関する言及も本の中でありました。

4.さいごに

この記事ではアメリカの歴史の本、The History of the United Statesについてまとめました。写真や挿絵などは少なく、活字中心でしたが、読んでいる感覚としては山川の歴史教科書の読みやすい英語版みたいな感じでした。
アメリカという大国の視点から歴史を学ぶ事は、日本の歴史の捉え方も変わり、非常に刺激のある良い勉強になりました。この本に限らずアメリカの歴史の本を読んで知っておく事は非常におすすめです。特に以下の点は興味深かったです。

・原住民に対する支配者だった側の現在の複雑な心情が垣間見え、人間味やアメリカという国が抱える矛盾が感じられた。
・戦時中の日本に対するアメリカ側の見方が分かった。
・原爆投下に関するアメリカ側の歴史的捉え方が分かった。

繰り返しになりますが、米国という大国の視点から歴史を学ぶ事は、全ての英語学習者の方におすすめです。さいごまで記事をお読み頂きありがとうございました。

第2章に戻って本の概要をみる

おわり

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