(2024.3.10)
この本はこんな方におすすめ
・言わずと知れた名作ホラー・ゴシック小説を平易な英語でサクッと読みたい方。
・英語学習初級者向け。英検準2~2級レベル。
記事の概要
・誰もが耳にした事のある古典の有名作「ドラキュラ」(Dracula)(1897年)のOxford編纂版を読みましたので、本の概要、主要登場人物、あらすじ、英語の難易度などをまとめます。
・ホラーでもあり、ゴシック小説でもあり、そういう世界観が好きな方におすすめです。
・書籍から英文を一部引用して和訳します。洋書の世界観に触れ、実際に読むかどうかの参考にして頂ければ幸いです。
・古典の名作を平易に短く編纂したOxford Bookworms Libraryのレベル2です。英語学習初級向けです。
1.はじめに
誰もが耳にした事がある「吸血鬼ドラキュラ」。最も有名なBram StokerのDraculaのOxford編纂版を今回読みました。この記事では、本の概要、主要登場人物、あらすじ、英語の難易度などをまとめ、本から英文を一部引用して紹介していきます。
映像化はもちろん後世の多くの作品にも影響を与えている古典の名作ホラーです。ゴシック的な世界観が好きな方にもおすすめです。本編は64ページと短くまとめられており、英文も平易な語彙のみで書かれておりますので、名作をサッと読みたい方にとてもおすすめです。
📚洋書読了「ドラキュラ」
Dracula(by Bram Stoker)
Oxford Bookworms Library版にて📘言わずと知れた吸血鬼のドラキュラ伯爵の話🦇
その設定は現代の人気作品などにも類似性が見られる古典の名作😀
平易な英語で書かれていてサクッと読めるのでおすすめ👍#英語学習 #多読https://t.co/aeI4zIiq0z pic.twitter.com/24i6cExp0G— みっちー@英語学習ブロガー (@michi1009_t) March 6, 2024
・オックスフォードブックワームとは~Oxford Bookworms Library
イギリスのオックスフォード大学の出版局、Oxford University Pressが出しているオックスフォードブックワーム(Oxford Bookworms Library)シリーズは、英語学習者がレベルに合わせて本を選べる様に編纂されたシリーズです。ブックワームなので、「本の虫」という意味です。ボキャブラリーや本の長さ、文法レベル等に応じてレベル分けされており、英語学習者からの高い評価を得ております。
今回読んだドラキュラはOxford Bookworms Libraryのレベル2に分類されてます。この様な古典の名作の数々を平易な英語、かつ丁度良いボリューム感で読めるのでとてもおすすめです。
→Oxford Bookworms Libraryに関する、オックスフォード大学出版の日本語公式サイトはこちらをクリック
2.本の概要|ドラキュラ (Dracula, by Bram Stoker)
題名 | Dracula Level 2 Oxford Bookworms Library邦題「吸血鬼ドラキュラ」 |
著者 編纂 | Diane Mowat イラスト:Paul Fisher Johnson |
オリジナル版 | Bram Stoker著 Dracula (1897年) |
ジャンル | ホラー、ファンタジー、ゴシック小説 |
出版社 | Oxford University Press |
出版年 | 2012年 |
ページ数 | 64ページ |
単語数 | 7,875 words |
参考:Wikipedia 吸血鬼ドラキュラ
・主要登場人物
Jonathan Harker:主人公。ロンドンの不動産会社で働いている。ルーマニアの富裕層のドラキュラ伯爵から物件購入で呼ばれ、契約書を直接持っていく。
Count Dracula:ドラキュラ伯爵。吸血鬼。人の生き血を吸って生きている。
Mina:主人公ジョナサンのフィアンセ
Lucy:Minaの親友
Arthur:Lucyのフィアンセ
Jack Seward:医者
Van Helsing:ヴァン・ヘルシング。オランダの医者。Jack Sewardから呼ばれ、半吸血鬼化した患者の治療とドラキュラ退治に奔走する。
・あらすじ
主人公Jonathan Harkerはロンドンの不動産屋で働いていた。トランシルヴァニア(現在のルーマニア)の富裕層の顧客からロンドンの不動産の購入依頼が入り、契約書の取り交わしの為、Jonathanは顧客の家に直接訪問する事になった。顧客の名はドラキュラ伯爵。道中に立ち寄ったホテルで「ドラキュラ伯爵の城へ訪問する」旨を話すと地元の人々は怪訝な表情をし、「やめた方がいい」と言われ不穏な空気が漂うが、仕事なのでやむを得ずドラキュラ城へ向かったが…。
Jonathanは果たして吸血鬼ドラキュラの恐怖から逃れられるのか。ドラキュラの魔の手はフィアンセのMinaや、その友人のLucyにも迫り…。オランダから呼ばれたヴァン・ヘルシング医師と共にドラキュラ退治に奔走するのだが果たしてどの様な結末を迎えるのか…。
・吸血鬼ドラキュラの弱点、特徴
この章では吸血鬼ドラキュラの特徴と弱点をまとめます。「この設定どこかで聞いた事があるような…」と思わせる点もありますが、それだけこの作品が後世に与えた影響が大きいという事だと思います。
特徴
・体が冷たい。触ってびっくり。
・鏡にうつらない。
この様な特徴を持つ人がいたらその人は吸血鬼です。次に吸血鬼が苦手なものです。
吸血鬼ドラキュラの苦手なもの
・日光、陽の光を浴びられない。
・十字架。見ると一瞬動きが止まる。
・ニンニクの花。近づけない。
物語を読み進めていく中でだんだん吸血鬼ドラキュラの特徴が分かってくるのも面白さの一つです。
・洋書の英語レベル、難易度
Oxford編纂版のドラキュラ(Dracula, by Bram Stoker)の英語難易度は、初学者でも読めるレベルです。Oxford Bookworms Libraryのレベル2で、英検で言うと準2から2級レベル、TOEICスコアの目安で言うと幅広いですが225~785点という難易度です。
中学・高校レベルの語彙力でも辞書を引かずに読み進めていく事が可能と思われます。ホラーやゴシック小説に興味のある英語学習者の方にはぜひ読んで頂きたい作品です。
・本の感想~英語多読でのおすすめ度は星3.8/5つ中
Oxford編纂版のドラキュラ(Dracula, by Bram Stoker)の英語多読学習教材としてのおすすめ度は星3.8つ(5点満点中)です。それなりに面白く、テンポ良く読みやすい点は高評価ですが、あっさり終わってしまう感が否めず、読みごたえがそこまで感じられなかったです。手軽にサクッと読めるのはこのシリーズの良さでもあるのですが、このドラキュラは短くまとまり過ぎていて、もう少し長くても良いと思いました。本当に気軽にドラキュラを読みたいという方にはむしろありがたいのかも知れません。
3.書籍から英文引用・和訳|ドラキュラ (Dracula, by Bram Stoker)
この章ではOxford編纂版のドラキュラ(Dracula, by Bram Stoker)から、実際の英文を引用・和訳していきます。ドラキュラ城の恐怖の世界観が少しでも伝われば幸いです。
📝冒頭より。Jonathanは大口顧客のいるトランシルヴァニアへ行く事に。
I was planning to get married in the autumn, and I did not want to leave my beautiful Mina. ‘But you must go, Jonathan,’ she said. ‘The Count is rich, and perhaps he will give you more work later.’ So I agreed to go. I did not know then of the terrible danger which waited for me in Transylvania.
Stoker, Bram. Dracula Level 2 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.8). Oxford University Press. Kindle 版.
私は秋頃に結婚する予定なので、麗しい(フィアンセの)ミナから離れるのは気が乗らなかった。「いや行きなさいよ、ジョナサン」と彼女は言った、「伯爵は裕福だから、その後のビジネスにもつながるはずよ」。そう言われたので行く事にした。その時の私はトランシルヴァニアで待ち受ける危機を知る由もなかった。
📝中継地のホテルにて。ドラキュラ城へ行くと言った途端不穏な空気に包まれる。
‘Where are you going?’ they asked me. ‘To Castle Dracula,’ I replied. Suddenly the room was silent and everyone turned to look at me.
Stoker, Bram. Dracula Level 2 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.9). Oxford University Press. Kindle 版.
「どこに行くんだい?」と彼らは尋ねた。「ドラキュラ城へ」と私は答えた。すると急に部屋は静寂に包まれ、誰もが振り返って私の事を見つめていた。
📝ドラキュラ伯爵の第一印象
His face was very white, his ears were like the ears of a cat, and his teeth were strong like the teeth of an animal. There was hair on his hands and his fingers were very long.
Stoker, Bram. Dracula Level 2 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.11). Oxford University Press. Kindle 版.
彼の顔はとても白く、耳は猫の様な耳で、歯は獣の様に強そうだった。手には毛が生えており、指は非常に長かった。
📝ドラキュラ城に閉じ込められたJonathan
I went over to the window and looked out. I was high above the ground. Many of the doors in the castle were locked. Suddenly, I understood. I was a prisoner!
Stoker, Bram. Dracula Level 2 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.14). Oxford University Press. Kindle 版.
私は窓際に行って外を見た。地上からはるか高い場所だった。そして城の中の多くのドアには鍵が掛けられている。私ははっとし、理解した。私は閉じ込められたのだ!
📝日中に脱出方法を模索するJonathan
Vampires can only come out at night, so I knew that there was no danger during the day. The next morning I decided to visit the Count’s room to see what I could find.
Stoker, Bram. Dracula Level 2 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.18). Oxford University Press. Kindle 版.
吸血鬼は夜中しか出かけられないので、日中であれば危険は無いと分かっていた。翌朝、私は何か(脱出する方法を)見つけられないかと思い伯爵の部屋の中に入り込んだ。
📝伯爵の部屋の大量の棺を開けてみたら…
In one of them lay the Count! I could not say if he was dead or asleep. His eyes were open and looked cold and stony, but his face did not look like the face of a dead man. His lips were still very red, but he did not move.
Stoker, Bram. Dracula Level 2 Oxford Bookworms Library (English Edition) (pp.18-19). Oxford University Press. Kindle 版.
部屋の中の棺の内の一つを開けるとそこには伯爵が横たわっていた!死んでいるのか起きているのか分からなかった。彼の目は見開いているが冷たく石の様だった。しかし彼の顔は死んだ人間のそれではなかった。唇は真っ赤だったが、動かなかった。
果たしてJonathanは生きて脱出できるのか。Minaと再会できるのか…!?
4.さいごに
この記事ではOxford編纂版のドラキュラ(Dracula, by Bram Stoker)について、本の概要、主要登場人物、あらすじ、英語の難易度などをまとめました。古典の名作ホラーだけあって普遍的な恐ろしさや不気味さがあり、現代の作品にも強い影響を与えていると思わせる力があります。そんな作品を100ページ以下で且つ平易な英文で読ませてくれるOxford Bookworms Libraryには感謝です。英語学習者にはどなたにもおすすめできる本だと思います。多読での英語学習にピッタリです。
最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。
おわり
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