(2024.9.23)
この本はこんな方におすすめ
・名作「クリスマス・キャロル」を簡易版の洋書で読みたい方。
・Oxford Bookworms Library版のレベル3で、TOEICスコア550~785点程度の難易度です。
記事の概要
・イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの1843年の名作「クリスマス・キャロル」(A Christmas Carol)をグレイデッド・リーダーズ版(Oxford Bookworms Library)の洋書で読みました。
・本の概要、あらすじ、登場人物、洋書の難易度などをまとめます。
・実際の書籍から英文を引用・和訳しますので、洋書の世界に少しだけ触れられます。
・名作をサクッと読みたい方にはおすすめ。読みやすい英語で短くまとめられています。
1.はじめに
イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの1843年の名作「クリスマス・キャロル」(A Christmas Carol)をグレイデッド・リーダーズ版(Oxford Bookworms Library)の洋書で読みました。
卑屈な性格でお金の事ばかり考えている主人公のもとにクリスマスイブの夜に精霊が現れ、不思議な体験をする。昔の小説らしい教訓たっぷりな内容。世界的名作を気軽に読めるので大変おすすめの一冊です。
📚洋書読了
A Christmas Carol
名作「クリスマス・キャロル」🎄をOxford Bookworms Library版にて読みました😀ケチで冷酷で卑屈な主人公スクルージのもとに精霊が現れ、過去・現在・未来のクリスマスを見るという不思議な体験をし、彼は何を感じたのか?#英語学習 #多読https://t.co/aafIj5Q8qR pic.twitter.com/ybqAa97bJ1
— みっちー@英語学習ブロガー (@michi1009_t) September 8, 2024
・オックスフォードブックワームとは~Oxford Bookworms Library
イギリスのオックスフォード大学の出版局、Oxford University Pressが出しているオックスフォードブックワーム(Oxford Bookworms Library)のシリーズは、英語学習者がレベルに合わせて本を選べる様に編纂されたシリーズです。ブックワームなので、「本の虫」という意味です。ボキャブラリーや本の長さ、文法レベル等に応じてレベル分けされており、英語学習者からの高い評価を得ております。
今回読んだクリスマス・キャロルはOxford Bookworms Libraryのレベル3の分類です。この様な古典の名作を平易な英語で、サクッと読めるボリューム感なのでとてもおすすめです。
→Oxford Bookworms Libraryに関する、オックスフォード大学出版の日本語公式サイトはこちらをクリック
2.本の概要|A Christmas Carol Level 3 Oxford Bookworms Library
題名 | A Christmas Carol Level 3 Oxford Bookworms Library |
著者 編纂 | Clare West イラスト:Ian Miller |
オリジナル版 | Charles Dickens著 A Christmas Carol (1843年) |
ジャンル | ファンタジー |
出版社 | Oxford University Press |
出版年 | 2012年 |
ページ数 | 76ページ |
単語数 | 10,385 words |
参考:Wikipedia クリスマス・キャロル (小説)
・登場人物
ここではOxford編纂版のA Christmas Carolに出てくる主要な登場人物を以下にまとめます。
Ebenezer Scrooge:偏屈な主人公。Scrooge and Marley’sという会社を経営する商人。クリスマスイブに昔の同僚の亡霊に会う。
Jacob Marley:7年前のクリスマスイブに亡くなった共同経営者。生前はお金の事ばかり考えていた。死後は彷徨う亡霊になった。
Fred:Scroogeの甥 (Nephew)。Scroogeをクリスマスパーティーに招待しに来た。
Bob Crarchit:Scrooge and Marley’sの社員。薄給でScroogeからこき使われている。
・あらすじ
ケチで卑屈な性格の商人スクルージはScrooge and Marley’sという会社の経営者で、社員のBobを薄給でこき使っていた。甥のFredからクリスマスパーティーに招待されたが、「クリスマスなんてばかばかしい」と一笑に付す。
そんなクリスマス・イブの夜、スクルージは、7年前に亡くなった共同経営者のJacob Marleyの亡霊を見る。ジェイコブは精霊がスクルージのもとを訪れる事を伝え、スクルージは精霊と不思議な体験をする。過去・現在・未来のクリスマスの様子を精霊と見たスクルージの気持ちに次第に変化がもたらされる。
・洋書の難易度
Oxford Bookworms Library版のA Christmas CarolはLEVEL3となっており、英語難易度は中級で英検2級レベル、TOEIC換算でおよそ550~785点程度です。物語の内容は既に広く知れ渡った名作なので、知らない単語があっても意味を推測しながら読み進めていくのにピッタリな教材になるのではないかと思います。76ページで短くまとまってますので、スキマ時間にサクッと読め、手軽に多読が出来ます。文学史に残る名作の内容を知っておきたい方にもこの様なGraded Readersはおすすめです。
・本の感想~英語多読でのおすすめ度は星4/5つ中
Oxford編纂版のA Christmas Carolの英語多読学習教材としてのおすすめ度は星4つ(5点満点中)です。文学史に残る名作をシンプルな英語で短くまとまった本で読める事は素晴らしいです。但し、一つ一つの出来事や人物に関する深い考察は端折られている感じで、物語をかいつまんでどんどん進めていき、深みを感じられないのは致し方ない所だと思います。
主人公のスクルージは偏屈な銭ゲバの老人で、周りの人々からも鼻つまみ者として避けられていました。そんなスクルージのもとにかつての仲間の亡霊が現れ忠告を受け、その後精霊と共に不思議な体験をして自らを省みるという教訓たっぷりな物語でした。読んでいると現代の孤独死の問題にも繋がってくる問題提起が感じられ、名作らしい普遍性を感じられます。行き過ぎた拝金主義が陥る闇の様なものも感じられ、現代に通ずる教訓がたっぷりです。
歴史に残る名作をサクッと読めて英語の勉強も出来るので、とてもおすすめの一冊です。
3.書籍から英文引用・和訳|A Christmas Carol Level 3 Oxford Bookworms Library
この章ではOxford Bookworms Library版のA Christmas Carolから、英文を一部抜粋し、和訳していきます。洋書の雰囲気を感じて頂き、興味を持って頂けたら実際に本を読んで頂ければと思います。
📝冒頭、クリスマスイブの日に主人公スクルージの所に甥(フレッド)が来た
Ebenezer Scrooge is a cross, miserable, mean old man. When his nephew visits him on Christmas Eve to wish him a merry Christmas, Scrooge is not at all pleased. ‘Bah! Humbug!’
Dickens, Charles. A Christmas Carol Level 3 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.1). Oxford University Press. Kindle 版.
エベネーザ・スクルージは不機嫌で意地悪な老人だった。彼の甥がクリスマスイブの日に訪ねてきて、クリスマスを祝った時、スクルージは全く嬉しそうではなく、「ふん!ばかばかしい!」と言った。
📝最初の精霊がスクルージの元に現れた
‘Who and what are you, sir?’ asked Scrooge. ‘I am the ghost of Christmas Past,’ replied the spirit, in a soft, gentle voice. ‘Do you mean long ago in the past?’ asked Scrooge. ‘No. Your past.’
Dickens, Charles. A Christmas Carol Level 3 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.20). Oxford University Press. Kindle 版.
「あなたは一体どこのどなたなんです?」とスクルージは尋ねた。「私は過去のクリスマスの幽霊だ」と精霊は、やさしい穏やかな声で答えた。「大昔の過去という事か?」とスクルージは尋ねた。「いいや、お前の過去だ。」
📝2つ目の精霊が現れた
At one o’clock, instead of a spirit, a strong light shone down on Scrooge’s bed. He felt very frightened. After a few minutes he thought that perhaps the light was coming from the next room, so he got up and went to the door.
Dickens, Charles. A Christmas Carol Level 3 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.30). Oxford University Press. Kindle 版.
(午前)1時ちょうど、精霊ではなく、強く輝く光がスクルージのベットに照らされた。彼は恐怖におののいた。数分後、彼はその光が隣の部屋から来てるのではないかと思い、起き上がってドアを開けた。
📝3つ目の最後の精霊は何も答えない
‘Are you going to show me shadows of the things which haven’t happened yet, but will happen in the future?’ Scrooge asked. There was no answer.
Dickens, Charles. A Christmas Carol Level 3 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.41). Oxford University Press. Kindle 版.
「お前はまだ起きていないこれから起きるであろうシーンを見せようとしてるのか?」とスクルージは尋ねたが、精霊は何も答えなかった。
3つの精霊と不思議な体験をし、守銭奴のスクルージは何を感じ、どの様に変わっていくのか?
4.さいごに
この記事ではOxford編纂版の「クリスマス・キャロル」(A Christmas Carol)についてまとめました。イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの不朽の名作をやさしい英語で読めるので、とてもおすすめの一冊です。短いのですぐ読めますが、現代社会にも通ずる問題を深く考えるきっかけにもなり、教訓を得られます。多読で英語を勉強しながら、文学史に残る名作に触れ、人生に役立つ教えを得られる、一石三鳥な本です。
さいごまで記事を読んで頂きありがとうございました。
おわり
<関連記事>
・多読による英語学習の基本についてまとめた記事
・多読するならkindleペーパーホワイトがおすすめ