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【英語初級】アラジンと魔法のランプ|古典名作で多読学習 (Oxford Bookworms Library版)

(2023.8.8)

ペンペン
ペンペン
「アラジンと魔法のランプ」を英語で読んでみるです。
コンコン
コンコン
読みやすいしおもしろいね。でもぼくが知ってるアラジンのお話とちょっとちがうな。
アザラシさん
アザラシさん
そうだね。作品の情報をまとめてみよう。

記事の概要
・「アラジンと魔法のランプ」の洋書(Aladdin and the Enchanted Lamp)のOxford編纂版を読みましたので、本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめます。
・ディズニーの映画で有名なお話ですが、それとは別物と思って頂いた方が良いです。
書籍から実際の英文を一部引用して和訳します。洋書を読むかどうか判断する参考にして頂ければと思います。
・名作を読みやすく編纂したOxford Bookworms Libraryの中で、レベル1となっているので、スイスイと楽しく読み進められるおすすめの一冊です。

1.はじめに

「アラジン」と言えば有名なのはディズニーの映画だと思いますが、この記事で扱うのは小説です。Oxfordが英語学習初心者向けに簡単な語彙、かつ短く読みやすく編纂したOxford Bookwarms Libraryから出ているアラジンの本を紹介します。本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめ、書籍から実際の英文をいくつか引用して和訳します。原文の一部から本の世界に触れ、興味を持って頂けたら是非読んでみて下さい。
映画版とはストーリーの印象が大分違いますので、別物と思って頂いた方が良いかも知れません。平易で読みやすい英語で気軽にさくっと読めるので、英語学習初級者の方含めてどなたにもおすすめです。

・オックスフォードブックワームとは~Oxford Bookworms Library

イギリスのオックスフォード大学の出版局、Oxford University Pressが出しているオックスフォードブックワーム(Oxford Bookworms Library)のシリーズは、英語学習者がレベルに合わせて本を選べる様に編纂されたシリーズです。ブックワームなので、「本の虫」という意味です。ボキャブラリーや本の長さ、文法レベル等に応じてレベル分けされており、英語学習者からの高い評価を得ております。

今回読んだAladdin and the Enchanted LampはOxford Bookworms Libraryのレベル1でした。古典の名作の数々を平易な英語で読めるとてもおすすめのシリーズです。

→Oxford Bookworms Libraryに関するオックスフォード大学出版の日本語公式サイトはこちらをクリック

2.本の概要|Aladdin and the Enchanted Lamp (アラジンと魔法のランプ)

題名 Aladdin and the Enchanted Lamp
Level 1 Oxford Bookworms Library
邦題「アラジンと魔法のランプ」
編纂 Judith Dean
イラスト:Thomas Sperling
出版社 Oxford University Press
出版年 2012年
ページ数 66ページ
単語数 5,240語
Aladdin and the Enchanted Lamp Level 1 Oxford Bookworms Library
created by Rinker

・あらすじ

アラビアの貧しい家庭で育った少年Aladdinはいつも遊んでばかりで、働きづめの母親の手伝いもせず、お腹がすいた時だけ家に帰る怠け者だった(父親は既に亡くなっている)。しかしAladdinは、魔法のランプが隠された洞窟の扉を開けられるたった一人の少年だった。その事実を知っていた黒魔術師のAbanazarは、亡くなった父の兄弟だと嘘をついてAladdinに近づき、ランプを手に入れようと画策する。しかしその計画は失敗し、Aladdinが魔法のランプと指輪を手に入れ、大金持ちになる。
ある日町でアラビアの王女のBadr-al-Budurを見かけたAladdinは一目ぼれする。王女と結婚したいという望みも魔法のランプの力で叶えようとするAladdin。順調に願いを叶えていくのだが、そこにまたAbanazarが現れ…。

次章でも述べますが、お金や幸せも魔法のランプの力で普通に手に入れていくAladdinにはびっくりです。

・ディズニー映画と異なる点5つ

アラジンと言えばディズニーの映画、という方が多いかと思うのですが、今回読んだオックスフォード編纂版のアラジンはそれとは似て非なるものでした。上述のあらすじでも触れましたが、叶えられる願いの数に際限がなく、お金や幸せもランプの力で平然と手に入れていくAladdinにびっくりしすぎて戸惑いました。もはや別物です。

そんなアラジンの、ディズニー版と書籍を比べて気が付いた異なる点5つを以下にまとめます。

(1)魔法の絨毯(じゅうたん)は出てこない

小説版では空飛ぶ魔法の絨毯は出てきませんでした。映画ではおなじみのアラジンと王女様のロマンティックなあのシーンもありません

(2)猿のアブーは出てこない

映画ではアラジンといつでも行動を共にするサルのアブーは、小説では出てきませんでした。

(3)アラジンがひどい怠け者

小説版の主人公アラジンは、シングルマザーの母親を手伝いもせず、遊んでばかりのドラ息子です。映画版の様に貧乏でも心が優しいとか、素直で純粋とかという描写はまったくありませんでした。魔法のランプの取り合いになったAbanazarの寝首を掻く様な事もして、共感性のかけらも無い主人公でした。良く言えば人間臭さあふれるストーリーになっていて、映画とは全く別の魅力があります。

(4)指輪の魔人もいる

小説版では魔法のランプだけでなく、魔法の指輪もあります。ですから、指輪からも魔人ジーニー(jinnee)が出てきます。

(5)お願いの回数制限なし

ランプの秘密を知ったアラジンは、次から次へと願いを叶えていきます。食べ物から宝石などの金品まで何でも手に入れてお金持ちになりました。

・洋書の英語レベル、難易度

今回読んだAladdin and the Enchanted LampはOxford Bookworms Libraryのレベル1で、英検で言うと5級~準2級程の難易度です。英語を勉強している方であれば、中高生の方にも非常におすすめ出来る本です。

・本の感想~英語多読でのおすすめ度は星5/5つ中

オックスフォード編纂版のAladdin and the Enchanted Lampは、英語多読学習の教材としてとてもおすすめ(5点満点中5点)です。誰もが一度は名前くらい聞いた事のある有名作ですので、短い小説でさくっと、しかも英語で楽しんで読めばとても良い勉強になり一石二鳥です。物語がどんどん進んでいくので、あっという間に読めてしまいます。映画のアラジンを見た事がある方にも、ない方にもおすすめ出来ます。

3.書籍から英文引用・和訳|Aladdin and the Enchanted Lamp (アラジンと魔法のランプ)

この章では、オックスフォード編纂版のアラジンより、原文を幾つか引用して和訳していきます。小説版アラジンの世界をぜひ英語で体感してみて下さい。

✅冒頭のアラジンの紹介。普通にクズっぽい感じです

Many years ago, in a city in Arabia, there was a boy called Aladdin. He lived with his mother in a little house near the market, and they were very poor. Aladdin’s mother worked all day, and sometimes half the night, but Aladdin never helped her.

Dean, Judith. Aladdin and the Enchanted Lamp Level 1 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.7). Oxford University Press. Kindle 版.

昔々アラビアの町に、アラジンと言う名の少年がいた。彼は市場の近くの小さな家に母親と2人で暮らしていたが、とても貧乏だった。アラジンの母は1日中、時には夜通し働いていたが、アラジンは決して手伝いをしなかった。

✅黒魔術師のAbanazarがアラジンに嘘をついて近づくシーン

The old man looked up. ‘Mustafa was my brother!’ he said. ‘I wanted to see him again, and now you tell me he is dead. Oh, this is not a happy day for me!’

Dean, Judith. Aladdin and the Enchanted Lamp Level 1 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.8). Oxford University Press. Kindle 版.

老人は顔を上げた。「ムスタファ(アラジンの父)は私の兄弟だ!」と彼は言った。「また彼に会いたかったが、もう死んだと君は言った。あぁ、なんと不幸な日だ!」

✅Abanazarがアラジンをそそのかして魔法のランプの洞窟まで連れていく

He took Aladdin’s hand. ‘Only you can move this stone. Put your hand on the ring and say your name and your father’s name.’

Dean, Judith. Aladdin and the Enchanted Lamp Level 1 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.17). Oxford University Press. Kindle 版.

彼はアラジンの手を取った。「きみだけがこの石を動かせるんだ。このリングに手を置き、君の名前と父親の名前を言うんだ。」

✅洞窟に閉じ込められたアラジンが指輪に触ると…

He could not see the ring in the dark so he put his right hand on it. WHOOSH! There was a sudden noise, and blue smoke came out of the ring. And then, out of the smoke came a big jinnee.

Dean, Judith. Aladdin and the Enchanted Lamp Level 1 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.21). Oxford University Press. Kindle 版.

彼は暗闇の中で指輪が見えなかったので、右手を触ってみた。シューッ!と突然騒音が鳴り、指輪から青い煙が出た。そして煙から巨大なジーニーが現れた。

4.さいごに

この記事ではオックスフォード編纂版のアラジンの洋書(Aladdin and the Enchanted Lamp)の情報をまとめました。有名なディズニー映画版のアラジンとは似て非なるストーリーで驚きでした。
平易な英語で読みやすく、ストーリーがサクサクと展開していきますのであっという間に読み終える事が出来ました。楽しかったので2回読みました。誰もが作品名を知る名作中の名作ですので読んでおいて損はありません。とても良い英語の勉強にもなりますので、英語学習を始めたばかりの方から英語に自信のある方まで広くおすすめできます。

まとめ

・オックスフォード編纂版の洋書 アラジンはディズニー映画版とは内容が大分異なるが、興味深く面白い。

・英検5級~準2級程度のレベルなので、英語学習初級の方にもおすすめ。

最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。

第2章に戻って本の情報を見る

おわり

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