(2022.1.6)
記事の概要
・この記事では、最近密かに需要が増えてきているという、「昆虫の埋葬サービス」に関する英語ニュースを扱います。
・英語ニュースを引用して和訳していき、難解単語をいくつかピックアップして対訳します。英語学習の一助にもなれば幸いです。
1.はじめに
本記事ではそんなペット昆虫の埋葬サービスが日本で密かに人気を博している、という英語ニュースを通して英語学習していきましょう。
2.英語ニュース引用、和訳
引用元:The Mainichi
記事表題:Funeral services to honor pet insects gain quiet popularity in Japan(December 31, 2021)
URL:https://mainichi.jp/english/articles/20211224/p2a/00m/0li/068000c
Funeral services to honor pet insects gain quiet popularity in Japan
ペット昆虫を葬る埋葬サービスが日本で密かな人気に
✅funeral:葬儀
AMAGASAKI, Hyogo — There has been a sudden rise in inquiries to businesses offering funerals for beloved pet bugs in Japan, suggesting a spike in the memorial services’ popularity. The Mainichi Shimbun delved deeper into the subject to find out what is behind this quiet trend.
兵庫県尼崎市-日本では、ペット昆虫の為の葬儀ビジネスへの引き合いが急激に増えてきており、思い出作りに関するサービスの人気が急上昇している事を示している。毎日新聞社はこの密かなトレンドの裏に何があるのかを掘り下げた。
✅spike:急上昇
✅delve:探求する、掘り下げる
“We got a Japanese rhinoceros beetle as part of my daughter’s education, so we were reluctant to throw it away with the biodegradable garbage when it died,” said Takayuki Fukui, a 45-year-old father in the city of Nishinomiya, Hyogo Prefecture. His daughter, a primary school second grader, cared for the beetle for about three months before it died in September. They thought of burying the beetle outdoors in a park, but the family was concerned that the bacteria decomposing the corpse would be bad for the local ecosystem.
「娘の教育の一環でカブトムシを飼っていましたが、死んでしまった時に分解可能なゴミと一緒に捨てるのは気が引けました」と、父親であるフクイタカユキ氏は言った(兵庫県西宮市在住)。彼の小学校2年生の娘は、カブトムシが9月に亡くなるまで3か月間世話をしてきた。公園に埋めようとも思ったが、(カブトムシの)亡骸が細菌によって分解されていくのは地元の生態系に良くないのではないかと家族は心配した。
✅Japanese rhinoceros:カブトムシ
✅biodegradable:生物分解性のある、生分解性の
✅decompose:腐敗する、分解する
✅corpse:亡骸
As Fukui was pondering disposing of the insect as combustible waste, he learned about bug funerals online and decided to apply. “My daughter was feeling sad over the rhinoceros beetle’s death, but they (the company) treated the remains with care, so she seemed relieved,” he said.
フクイ氏は可燃ごみとして廃棄する事を考えていたが、昆虫の葬儀サービスについてネットで知り、申し込む事に決めた。「娘はカブトムシの死を悲しんでいましたが、彼ら(昆虫葬儀会社)は遺体を思いやりをもって扱ってくれたので、娘も安心した様でした」と彼は言った。
✅ponder:熟考する
✅combustible:可燃性の
✅bug:虫
Ai Pet Group, which has been offering insect funeral services since 2019, has seen its client numbers increase steady each year. Although it only had around 10 inquiries in 2019, that increased to about 40 in 2020, and as many as 100 by the end of October 2021. Most of the insects brought in are either rhinoceros beetles or stag beetles that had been under the care of children up to primary school age.
愛ペットグループは2019年から昆虫供養サービスを提供しているが、顧客数は毎年堅調に増えている。2019年はたった10件程しか依頼がなかったが、2020年には40件に増え、2021年10月末には100件までに登った。依頼を受ける昆虫の多くは(カブトムシのような)甲虫やクワガタムシなどで、小学生位の子供たちが育てていたものだ。
✅steady:安定した
✅rhinoceros beetle:甲虫
✅stag beetle:クワガタムシ
To get a funeral for a dearly departed six-legged friend, people bring in the remains or mail them inside a special kit equipped with a drying agent and cushioning material. The insect is then buried in the “Insect Heaven” graveyard in the Hyogo Prefecture city of Amagasaki, where a Buddhist priest holds memorial services once a month. The remains are not cremated, because the carapace cannot survive the fire. Some bugs brought in even had messages attached, including, “Thanks for coming to our home in such a tiny body,” and “Please go to heaven. We won’t ever forget you.“
6本足の親愛なる友達(昆虫)との別れの葬儀を執り行う為、人々(依頼者)は(昆虫の)亡骸を持ち込んだり、あるいは乾燥剤やクッション材を含む特別なキットで梱包して郵送する。昆虫たちは「昆虫天国」と銘打った墓地(兵庫県尼崎市にある)に埋葬されるのだが、そこでは月に一回仏教僧が供養を行う。遺体は火葬はされないのだが、(甲虫などの)硬い殻は燃え尽きてしまうからである(要するに遺灰や遺骨が残らないから)。場合によっては虫(の遺体)はメッセージ付きで送られてくる事もある。例えば「小さな体で私たちの家に来てくれてありがとう」や、「天国で安らかに。決して忘れないよ」といったものである。
✅drying agent:乾燥剤
✅graveyard:墓地
✅memorial services:記念祭、慰霊祭、供養
✅cremate:火葬にする
✅carapace:(甲虫などの)硬い殻
Most adult rhinoceros and stag beetles are bought in early summer and die in autumn. By encouraging children to commemorate the bugs’ deaths properly, the company hopes to nurture attitudes that value life.
大概のカブトムシやクワガタは初夏に成虫になり、秋に亡くなる。子供たちが亡くなった昆虫を適切に供養する事を奨励して、会社(愛ペットグループ)はいのちを大切にする価値観を育てていきたいと望んでいる。
✅commemorate:祝う、記念する
✅nurture:養育する、育てる
Abircome director Shinobu Nakata, 48, commented, “The bug funerals have elicited a reaction beyond our expectations. The children are treating their pet insects with great care.”
アビーコム(愛ペットグループの運営会社)の取締役のナカタシノブ氏(48)のコメント「昆虫の葬儀は期待以上の反応を引き起こしました。子供たちは大きな愛情を以てペットの昆虫を扱っているのです。」
✅elicit:引き出す
He said, “I suppose there are more people who don’t have dogs or cats, but small animals and reptiles, as well as insects. The parents who apply for the services also wish to teach the importance of lives to their children. If they experience memorial services now, this may encourage them to cherish other pets they might keep in the future.”
彼(ナカタ氏)が言うには、「(都市部の住宅事情で、マンションやアパートに住む人が増えた事を踏まえて)犬や猫は飼っていなくても、爬虫類や昆虫、小さな動物を飼っている人はもっとたくさんいると思います。(葬儀の)サービスに申し込んでくる両親は子供に命の大切さを教えたいと願っています。もし子供たちが小さいうちに葬儀サービスを体験しておけば、将来他のペットを飼うにしてもその命を大切にするでしょう。」
✅cherish:大切にする
3.さいごに
本記事ではペット昆虫の埋葬サービスに関する英語記事を紹介、和訳していきました。記事内で紹介されていた愛ペットグループのウェブサイト等を以下にご紹介します。
・愛ペットグループのホームページ→https://aipet-group.com/
※ホームページを拝見した所、犬猫などのペット供養がメインの様です。
・愛ペットグループ公式サイトのブログより
昆虫供養に関する記事→https://xn--vsq81f633bhk6a.net/2021/01/28/insectmemorial-service/
・愛ペットグループのTwitter(@ipetengelring)
https://twitter.com/ipetengelring
私も少年時代にクワガタを飼っていた事がありますが、他界した際には庭に埋めましたが、かまぼこの板を立てて墓石に見立てて祭ったものでした。記事内でも言及されていましたが、庭の無いマンションやアパートで生活していると埋める場所が無いのでこの様なビジネスが成り立つのだなと思います。公園などに埋めるにしても他人の目が気になったりもする時代なので、昆虫の葬儀サービスがあれば、利用してみようと思うのも納得です。
お子様に命の大切さを知ってもらうという意味で、情操教育にもなり、良いサービスだと感じました。本記事がお役に立てば幸いです。
おわり
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・昆虫に関する英単語集的な記事です。