(2025.1.19)
記事の概要
・大リーグ ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の2024年シーズンの成績と記録をまとめます。
・現地米国の記事を引用・和訳しますので、英語の勉強にもなります。
・激動だった大谷選手の2024シーズンの獲得タイトルや軌跡が分かります。
1.はじめに~3度目のMVPと悲願のワールドシリーズ制覇
アメリカ大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の2024年シーズンが終了しました。もはや説明不要な程の活躍で世間を賑わせてくれました。2度目のホームラン王、3度目のMVP、50-50、ワールドシリーズ制覇等、その偉業は枚挙に暇がありません。
この記事ではそんな大谷選手の伝説的な2024年シーズンでの出来事を振り返り、成績や記録をまとめます。また、MLB公式サイトから大谷選手に関する英語ニュースを引用・和訳しますので、英語の勉強にも役立てて頂けます。
2.2024年シーズンの振り返り
この章では激動だった大谷翔平選手の2024年を振り返ります。ドジャース移籍一年目、且つ右肘のトミージョン手術(2回目)明けのシーズンで打撃専門で出場すると言う、二刀流でやってきた大谷選手でしかあり得ない前例の無い挑戦でした。
・出来事早見表
2023年12月
エンゼルスからドジャースへの移籍決定
10年総額7億ドル(約1020億円)の大型契約と、その大部分が後払いという前代未聞の契約内容が話題に。
2024年2月
結婚
元バスケットボール選手の田中真美子さんとの結婚を発表。
3月
韓国ソウルシリーズでMLB開幕
ダルビッシュ有投手擁するサンディエゴパドレスと対戦、チームメイトの山本由伸投手はまさかの乱調。
水原一平氏のスキャンダル
通訳の水原氏が違法賭博に関与、大谷選手の資金を盗んでいたというスキャンダルが大ニュースに。
4月
開幕から40打席本塁打なし
実際問題、開幕からそれなりの成績は残していたと思いますが、大谷選手への期待からすると不振扱いになる(?)スランプかの様な扱いでホームランが出ない事がニュースを賑わせる。第1号本塁打は9試合目のジャイアンツ戦の4月3日。
7月
オールスターに出場
4年連続4回目のオールスター出場。第2打席でホームラン。カブスの今永も出場し好投。愛犬デコピンの始球式も話題に。
9月
50-50
MLB史上初の50-50(50本塁打、50盗塁以上)の大偉業を達成
ポストシーズン進出決定
ドジャースが12年連続のポストシーズン進出を決める。
10月
ポストシーズン開幕
ディビジョンシリーズ第1戦のパドレス戦でチームを救う3ランホームラン。ナ・リーグ優勝決定シリーズでニューヨークメッツを下し、ドジャースがナ・リーグ制覇。
ワールドシリーズで宿敵ニューヨークヤンキースと対戦
第2戦で試みた盗塁で左手を負傷するも最後まで戦い続けた。ドジャースはワールドシリーズ制覇、シリーズMVPは4本塁打を放ち大車輪の活躍をしたフリーマン選手。
11月
ナ・リーグMVP受賞
DHとして史上初のMVP受賞。大谷選手としては3回目で、3回とも満票獲得は史上初。両リーグでの受賞は史上2人目で、リーグを跨いで2年連続受賞は史上初。
12月
夫人が第一子ご懐妊
真美子夫人の第一子妊娠をインスタグラムで発表
・公私共に激動だった2024シーズン
大谷選手の2024シーズンはトピックが多過ぎて何から語れば良いか困ってしまう程の1年でした。プライベートでは結婚、愛犬の始球式、奥様のご懐妊、悪いニュースでは水原通訳のスキャンダル、野球の方では超大型移籍、出だしの不調(?)からの、終わってみればホームラン王、50-50、日本人メジャー最多盗塁、満身創痍でのワールドシリーズ制覇、ナ・リーグMVPと、色々凄い事があり過ぎてもはや訳が分かりません。
移籍が決まる前は、知り合いが「エンゼルスの赤が似合い過ぎていてのブルーのユニフォーム姿は想像できない」と言っていましたが、いざドジャーブルーのユニフォームに袖を通した大谷選手はとてもかっこよかったです。また、「大谷選手は赤いユニフォームが良い」という声を移籍前は良く耳にしましたが、いざドジャースへの移籍が決まってからは、あれは何だったんだろうと思う程その様な声を聞かなくなりました。ドジャーブルーの伝統あるユニフォームの大谷選手は最高にカッコいいと思います。
2024シーズンはトミージョン手術明けで、右肘リハビリ中だったのですが打者としてはバットが振れるという判断で打者専念で挑んだ年でした。全力投球は出来ない右肘の状態なのに、バットは振れて普通にホームランを打ちまくれるという時点で常人には理解しがたいですが、大谷選手は常にこちらの想像をはるかに超えてくるので本当にすごいと思います。ア・リーグのエンゼルスからナ・リーグのドジャースに移籍して一年目で、しかも肘の手術明けでホームラン王や50-50といった桁違いの活躍をしてくれるとは思いもよりませんでした。
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次章にて具体的な数字と記録をまとめていきますので引き続きお楽しみ下さい。
3.成績と記録まとめ~今シーズンは打撃のみ
ここからは大谷翔平選手の2024年シーズンの実際の成績・記録をまとめます。2024年はトミージョン手術(2回目)明けのシーズンだったので打者に専念して挑みました。
※参照サイト
・MLB.com
・Wikipedia 大谷翔平
・レギュラーシーズン打撃成績
G(試合数):159
AB(打席数):731
AVG(打率):.310
H(安打数):197
2B(二塁打):38
3B(三塁打):7
HR(本塁打):54
RBI(打点):130
BB(四球):81
IBB(敬遠):10
SO(三振):162
SB(盗塁):59
OPS(出塁率+長打率):1.036
※太字はリーグ最高
・ポストシーズン打撃成績
G(試合数):16
AB(打席数):61
AVG(打率):.230
H(安打数):14
2B(二塁打):1
3B(三塁打):0
HR(本塁打):3
RBI(打点):10
BB(四球):13
IBB(敬遠):0
SO(三振):22
SB(盗塁):0
OPS(出塁率+長打率):.767
・大谷翔平が2024年シーズンに残した記録
個人タイトル
・最多打席
・最多得点
・本塁打王 (2年連続2回目、リーグをまたいで2年連続本塁打王は史上初)
・打点王
・最高出塁率、長打率、OPS
・ナ・リーグMVP (2年連続3度目、DH史上初、リーグをまたいで2年連続は史上初、3回目の満票受賞は史上初)
・ハンクアーロン賞 (2年連続2回目の受賞、両リーグで受賞は史上初)
・エドガー・マルティネス賞 (4年連続受賞)
記録
・MLB史上初の50-50 (50本塁打、50盗塁以上)
・日本人メジャー史上初のトリプルスリー (3割、30本塁打、30盗塁以上)
・日本人メジャー史上最多盗塁 (59盗塁で2001年のイチロー氏(56盗塁)越え)
・2年連続打率3割台
最多打席や最多得点は1番打者で1年間フルに出場し続けた事による好影響だと思います。1番打者がホームラン王や打点王を取ってしまうなんて、「良い打者を多く打席に立たせる」という考えの強いMLBならではだと思います。MLB史上初の50-50は言わずもがなの大記録ですが、視点を下げて成績を見ると、実はトリプルスリーも達成しています。もちろんトリプルスリーは日本人メジャー史上初で、これすら今後見られないのではないかと感じる超絶記録です。それから、この言い方もメディアであまり見られませんが、2冠王です(本塁打王、打点王)。こちらも当然日本人メジャー史上初の快挙です。打率は2年連続3割超えだったものの、惜しくも2位(1位はパドレスのアラエス)でした。トリプルスリーに100打点超えという捉え方をしても偉大すぎる成績で、文句なしに最高のシーズンだったと言えます。
盗塁に関しても、イチロー氏の日本人メジャー歴代最高の56 (2001年)を超えて、59をマークしました。こちらについては、ピッチクロックやけん制回数制限など、盗塁に有利なルールが導入された為、当時との単純比較は出来ないですが、やはり偉大な記録である事に疑いの余地はありません。
50-50が凄すぎて、他の凄い事が霞んでしまいますが、トリプルスリー、2冠王、日本人メジャー史上最多盗塁など、この先自分が生きている間は誰も達成できないのではないかと思う程の大記録です。改めて大谷翔平選手の凄さを実感します。
成績におけるその他の地味な所では、敬遠の数が半減しました (2023年 21→2024年 10)。これまで所属していたエンゼルスから、強豪のドジャースに移籍した効果ではないかと思われます。エンゼルス時代は大谷選手との勝負を避ければ他の打者は抑えられる、と思われがちでしたが、ドジャースではベッツやフリーマン等のMVPトリオを擁する強力打線ですから、エンゼルス時代よりもかなり勝負してもらえたのだと思います。
・イチロー氏の予言の行方は?
2019年に現役引退したイチロー氏が引退時の会見で大谷翔平選手について言及して、「ピッチャーとして20勝するシーズンの翌年に、ホームラン50本打ってMVP獲ったらバケモン。でもそれが想像できる選手」と述べています。順番は逆になりますが、ホームラン50本とMVPは今年獲得し、ワールドチャンピオンにもなったので、あとはピッチャーでサイヤング賞を取る位しかやる事がないんじゃないかとすら端から見ると感じます。
2023年にWBCで世界一に輝き大会MVPを獲得し、今年はドジャースでリーグ優勝、ワールドシリーズ制覇、個人としても50-50、2冠王と、本当に全てを手にした感じがします。しかし大谷選手は常に我々が想像する事をはるかに超え続けてきた選手ですので、2025年も誰もが想像しなかった事を成し遂げてくれるんじゃないかと期待してしまい、ワクワクさせてくれます。ケガの無い事を祈りつつ応援していきたいと思います。
4.英語ニュース抜粋和訳
この章では、MLB公式サイトのニュースから英文を抜粋・和訳していきます。上述してきた大谷選手の動向を知っていれば、英文の内容がすっと入ってくるかと思います。
📝2023年12月 ドジャースと契約。超大型後払い契約が話題に。
A source told MLB.com’s Mark Feinsand that Ohtani will be deferring $68 million of his $70 million average salary, an idea that came from Ohtani himself. That means he will be earning $2 million per year from the Dodgers ($20 million in total) over the life of the contract.
引用元:MLB.com (December 12th, 2023), Ohtani signs 10-year deal with Dodgers
ある情報筋がMLB.comのMark Feinsand氏に語ったところによると、大谷は7千万ドルの平均年俸のうち、6千8百万ドル分を後回しにするらしく、そのアイディアは大谷自身から出たものだと言う。つまり大谷は2百万ドルの年俸となり、10年契約の中で合計2千万ドル受け取る事になる。
📝オールスターゲームでのDecoy (デコピン)の始球式
Once everyone in attendance had secured their giveaway, the festivities started with Decoy delivering the first pitch to Ohtani. Up to that point, that was the loudest roar of the night. That is, until Ohtani stepped into the plate in the bottom of the first inning.
引用元:MLB.com (August 29th, 2024 by Juan Toribio), Decoy (!) delivers strike for 1st pitch, then Ohtani homers, swipes 2 bags
観客の皆が景品(大谷とデコピンのボブルヘッド人形)を手にすると、お祭りはデコピンから(捕手の)大谷への始球式から始まった。大谷が1回裏に打席に入るまでは、それ(デコピン始球式への歓声)が最大の歓声だった。
Decoy and Shohei with the cutest first pitch you’ve ever seen. 😭 pic.twitter.com/fEoFRxMOH4
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) August 29, 2024
📝50-50達成
The 30-year-old already reached the previously elusive 40-40 mark faster than any other player, and he didn’t stop there. On Sept. 19, he established the first 50-50 season in MLB history.
引用元:MLB.com (September 20th, 2024), Ohtani’s path to his historic 50-50 season
この30歳の選手(大谷)は、これまで難しかった40-40台に過去最速で到達し、そこで止まらなかった。9月19日にはMLB史上初の50-50を達成した。
📝ワールドシリーズ制覇とMVP受賞を同じシーズンに獲得した選手に仲間入り
2024: Shohei Ohtani, Dodgers
Ohtani helped the Dodgers win the World Series in his first postseason before winning his third career MVP Award the next month. He became the first player in MLB history to hit 50 or more home runs (54) and steal 50 or more bases (59) in the same season, making him a unanimous MVP selection for the third time.引用元:MLB.com (November 22nd, 2024 by Manny Randhawa), These players won MVP and World Series in same season
2024年:大谷翔平 (ドジャース)
大谷は自身初のポストシーズンでドジャースのワールドシリーズ制覇の立役者となり、3度目のシーズンMVPを翌月獲得した。彼はMLB史上初めて、50本以上ホームランを打ち(54本)、50盗塁以上(59)をマークし、3回目の満票MVP受賞となった。
※WS制覇とMVPの同一シーズン獲得は、大谷以外ではベッツ、アルトゥーベ、カルリプケンジュニアなど。
📝第一子のニュース
Just when you thought 2024 couldn’t get any better for Shohei Ohtani, the most significant and joyous development of his year — and one of the most important moments of his life — has come as the year draws to a close.
After winning his third unanimous MVP Award and his first World Series ring, Ohtani announced on social media Saturday that he and his wife, Mamiko, are expecting their first child.
引用元:MLB.com (December 29th, 2024 by Manny Randhawa), Baby Ohtani! Shohei, wife Mamiko expecting first child
大谷翔平にとって2024年はこれ以上ない年だったと思っていた矢先、最も顕著で喜ばしく、彼にとって最も重要な出来事が起きた。1年が終わろうとしているこのタイミングで。
3回目の満票MVPとワールドシリーズのチャンピオンリングを手にした後、大谷はSNSで土曜日、彼と妻の真美子氏が第一子の誕生を予定していると発表した。
5.さいごに
この記事では大谷翔平選手の2024年シーズンを振り返り、成績と記録をまとめました。シーズン開幕早々、元通訳の水原氏のスキャンダルが発覚した際はどうなる事かと思いましたが、蓋を開けてみれば前人未到の50-50、チームもワールドシリーズ制覇で今年も明るい話題を驚きとともにお茶の間に提供してくれました。ドジャースへの移籍は本当に大成功だったと証明した形だと思います。
そんな大谷選手も30歳を超え、子を持つ父となる予定です。また、トミージョン手術も2回行いました。テレビでのインタビューでも今後大きなケガをしたら厳しいかも、といった心配もしていました。2024シーズンは靱帯再建手術明けで打者に専念して50-50という、もはや意味が分からないレベルの大偉業を達成しましたが、2025シーズンも1年間フルで大きなケガ無くやって欲しいです。
また楽しいニュースを提供してもらえる事を期待し、応援していきたいと思います。
おわり
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