Culture

スティーブ・ジョブズの生涯を英語で読もう【偉人伝】(洋書、多読)~The Steve Jobs Story ラダーシリーズLEVEL4

(2024.5.26)

この本はこんな方におすすめ
・アップル創業者、スティーブ・ジョブズの人生や製品誕生秘話を英語で読みたい方。
・英語難易度は英検2級レベルTOEICスコアでは 600〜700点程度のレベルです。

記事の概要
・アップル創業者の1人で革新的な製品の数々を生み出したカリスマ、スティーブ・ジョブズの人生を学べる本のご紹介です。
・多くの人が日常的に使用しているiPhoneの、その開発の歴史も分かります。
・短く編纂されたIBCパブリッシング社の「ラダーシリーズ」版にて読みました。本の概要、ジョブズの関係者一覧、人生年表、英語の難易度などをまとめます。
書籍から英文を抜粋・和訳しますので、洋書の世界を一部体感頂けます。

1.はじめに

アップル創業者の一人で、強烈な個性とカリスマ性を放っていたスティーブ・ジョブズ。iMacやiPod、iPhoneなど、我々のライフスタイルを大きく変えた革命的製品の数々を生み出した人物です。
この記事ではそれらの製品の誕生の歴史や、ジョブズが歩んだ人生が学べる本についてまとめます。その名もThe Steve Jobs Storyで、ラダーシリーズのLEVEL4で出ています。第2章以降で、本の概要、ジョブズの関係者一覧、人生年表、英語の難易度などをまとめます。

・ラダーシリーズとは

主に語学書を中心に出版している日本のIBCパブリッシング社による、英語多読の教材がラダーシリーズです。ラダーですので、「はしご (ladder)」を登っていくイメージで、語学力をステップアップさせていきましょう。文学の名作や偉人伝、歴史、科学など多岐にわたるジャンルの英語書籍を多数取り揃えており、どんな興味の英語学習者のニーズも満たしてくれるシリーズです。
語学上達の秘訣はなんといっても「多読」ですので、自分の興味のあるジャンル、自分の語学力に合った語彙で書かれた本を楽しみながらたくさん読みましょう。なるべく速く、英文を訳さなくてもそのまま読める簡単な本をどんどん読んでいきましょう。そんな学習の教材にラダーシリーズは最適です。

参考:IBCパブリッシング ラダーシリーズ特設サイト ラダーシリーズについて

2.本の概要|The Steve Jobs Story ラダーシリーズLEVEL4

The Steve Jobs Story スティーブ・ジョブズ・ストーリー|トム・クリスティアン(著)
created by Rinker

題名 The Steve Jobs Story
「スティーブ・ジョブズ・ストーリー」
ラダーシリーズLEVEL4
著者 Tom Christian (トム・クリスティアン)
ジャンル ノンフィクション、バイオグラフィー
出版社 IBCパブリッシング
出版年 2012年
ページ数 72ページ

参考:Wikipedia スティーブ・ジョブズ

・スティーブ・ジョブズの関係者一覧

ここではジョブズ周辺の主要な関係者をまとめます。登場人物はそれ程多くはないので本は読みやすかったです。

スティーブ・ジョブズ (Steve Jobs, Steven Paul Jobs):アップル創業者の1人。iMac、iPhoneなど数々の革新的製品を生み出した。一方で良いモノをつくる為には一切の妥協を許さず無茶な納期やデザイン変更もいとわない性格。
スティーブ・ウォズニアック (Stephen Wozniak):ジョブズと同じ高校の卒業生で、アップル共同創設者の1人 (ジョブズより5歳年上)。少年時代から卓越した電子機器開発能力を持っていた。シャイでジョブズとは正反対の性格だった。

・アブドゥルファター・ジャンダーリ (Abdulfattah Jandali):実の父親。シリア出身で、宗教はイスラム教徒。
・ジョアン・シーブル (Joanne Schieble):実の母。
・ポール・ジョブズ (Paul Jobs):養父。車の回収、修理で生計をたてていた。
・クララ・ジョブズ (Clara Jobs):養母。
・クリスアン・ブレナン (Chrisann Brennan):最初のガールフレンド。娘のLisaを生んだが、結婚はしなかった。
・ローレン・パウエル (Laurene Powell):妻。

・スティーブ・ジョブズの人生年表

1955年:サンフランシスコ生まれ。すぐにジョブズ家に養子に出される。
1968年:クリスチャンになる事に疑問を持ち、インドや日本に興味を持つ。
※唯一絶対神がいるのなら、なぜアフリカで困窮するこども達が救われないのか?と疑問に思ったそう。
※1960年代のカウンターカルチャーの影響を、ジョブズは強く受けていたと思われます。音楽を愛し、大麻をやり、ベジタリアンでナチュラリスト的な嗜好等々。

1971年:ウォズニアックとともにブルーボックスをつくる。
※ブルーボックスとは、電話回線をハッキングして無料で世界中に電話をかけられる装置のこと。
1974年:大学を退学後、アタリ社で仕事を得る。
1977年:ウォズニアックと共にアップル・コンピュータ社を設立。
1977年:Apple Ⅱを発表し、大ヒットする。その後アップル社は躍進。
1984年:Macintoshを発表するも、その後売上は低迷。
1985年:ジョブズ、アップルを解任される。NeXT社を設立。
1986年:NeXT社がルーカスフィルム社を買収し、Pixar社を設立。
1991年:ローレンと結婚。
1996年:アップルがNeXT社を買収。ジョブズがアップルに復帰。
1998年:iMacを発売。

画像元:Wikipedia iMac

2001年:日本で東芝の大容量ハードディスクドライブを見てiPodの着想を得る。
2003年:iPod mini、shuffleなどを発表。

画像元:Wikipedia iPod mini

2005年:iPhoneの前身となるROKR(ロッカー)を発表。

画像元:Wikipedia Motorola ROKR

※有名な2005年のスタンフォード大学でのジョブズのスピーチの一部も本に掲載されています。

2007年:iPhoneを販売開始。

画像元:Wikipedia iPhone (1st generation)

2010年:iPadを発表。
2011年:すい臓がんにより亡くなる。享年56歳。

・洋書の英語レベル、難易度

The Steve Jobs Storyは、ラダーシリーズのLEVEL4となっており、英語もシンプルでとても読みやすい本でした。難易度は英検で言うと2級レベル、TOEICスコアでは 600〜700点程のレベルです。
現代社会に欠かせないスマートフォン誕生の歴史が分かる興味深い内容ですので、中級位の英語力のある方であれば、ぜひ読んでみることをおすすめ致します。

・本の感想~英語多読でのおすすめ度は星4.5/5つ中

The Steve Jobs Storyの、英語多読学習教材としてのおすすめ度は4.5 (5点満点中)です。現代社会に欠かせないツールのルーツを学べるので、幅広い方に興味を持って頂ける内容ではないかと思います。
5点満点ではない理由は、短い本で1つ1つのトピックの深堀りが十分でないと感じる為です。ジョブズの宗教観や、60年代カウンターカルチャー等から受けた影響、更にはiPod誕生の決め手となった東芝の大容量小型ハードディスクドライブを見た時の話等、もう少し詳しく知りたいなと思いました。それでもアップル社の歴史とジョブズの生涯のエッセンスをサクッと知るには良書ですので、とてもおすすめの一冊です。

3.書籍から英文引用・和訳|The Steve Jobs Story ラダーシリーズLEVEL4

この章ではThe Steve Jobs Storyの実際の書籍から英文を引用・和訳します。洋書の雰囲気を少し味わって頂ければと思います。

📝スティーブを養子として引き取ったジョブズ夫妻

So, in their place, Paul and Clara Jobs of San Francisco, California adopted Joanne’s baby boy. Neither Paul nor Clara had been to college. Paul worked as a “repo man” (getting back cars from people who could not repay their car loans), and Clara was a bookkeeper. Still, they promised they would save up money to send Steve to college.

トム・クリスティアン. The Steve Jobs Story スティーブ・ジョブズ・ストーリー ラダーシリーズ (p.15). IBCパブリッシング. Kindle 版.

彼らに代わって、カリフォルニア州サンフランシスコのポールとクララ・ジョブズがジョアンの男の子の赤ちゃんを養子として引き取った。ポールもクララも大卒ではなかった。ポールは「repo man」として、ローン不履行となった車の回収をしており、クララは会計事務の仕事をしていた。それでもなお、彼らはスティーブを大学に行かせる為に節約する事を決心した。

📝ジョブズの幼少期

He gave Steve some space on his workbench in the garage so they could work on things together.

トム・クリスティアン. The Steve Jobs Story スティーブ・ジョブズ・ストーリー ラダーシリーズ (p.16). IBCパブリッシング. Kindle 版.

彼(ジョブズの父)は、ガレージの作業台のスペースをスティーブに分け与えて一緒に作業ができる様にした。

📝ジョブズの宗教観

When Steve was thirteen, he decided that he did not want to be a Christian. If God knew everything, why wasn’t He helping the people who were dying from hunger in Africa? That was when Steve started to become very interested in religions from other countries like India and Japan.

トム・クリスティアン. The Steve Jobs Story スティーブ・ジョブズ・ストーリー ラダーシリーズ (p.17). IBCパブリッシング. Kindle 版.

ジョブズが13歳だった時、彼はクリスチャンにならない事を決心した。もし神が全知全能であるならば、なぜ神はアフリカで貧困にあえぐ人たちを助けないのだろうか?スティーブはこの時からインドや日本など、他国の宗教に非常に興味を持ち始めたのだ。

📝スティーブとは正反対の性格のウォズニアック。幼い頃から天才的な開発能力を有していた。

Electronics was a game for Wozniak. As a child, he had built an intercom system for the boys in his neighborhood. He regularly won prizes for devices he had built himself.

トム・クリスティアン. The Steve Jobs Story スティーブ・ジョブズ・ストーリー ラダーシリーズ (p.18). IBCパブリッシング. Kindle 版.

エレクトロニクス(開発)はウォズニアックにとってはゲームの様なものだった。子供の頃、彼はインターホンシステムを近所の子たちの為につくった。彼は自ら開発したデバイスで、数々の賞を受賞してきた。

この後、ジョブズとウォズニアックの名コンビでアップルを設立し、数々のイノベーションを起こしていき、現代の我々をもワクワクドキドキさせる魅力的な製品の数々を生み出していきます。必読です。

4.さいごに

この記事ではThe Steve Jobs Storyの本の概要、関係者一覧、人生年表、英語の難易度などをまとめました。今や世界一のブランドと言っても過言ではないアップル創業の歴史と、スティーブ・ジョブズの人生を学べるこの書籍は教養書としてとてもおすすめです。英語も読みやすく書かれているので、洋書にチャレンジするにはうってつけの一冊だと思います。

この本は簡易的にまとめられていてサクッと読めましたが、もう少し深掘りして知りたいと思う事もあったので、いつか分厚い自叙伝本なども読めれば良いなと思いました。例えば、ジョブズが影響を受けたであろう、60年代カウンターカルチャー(ヒッピー、ロックンロール、ドラッグ、ナチュラリスト思想など)についてや、iPod開発の決め手となった東芝の大容量ハードディスクドライブを見た時の事などです。
iPodやiPhoneが出た当時よく言われていた事ですが、どうしてそれらの製品を日本の会社が生み出せなかったのか、というのは個人的にも悔しいなと思う所です。過去の歴史を学ぶという観点でも、興味深い内容の本だと思いますので、少しでも興味を持たれた方は、この本にチャレンジしてみて頂ければ幸いです。

さいごまで記事をお読み頂きありがとうございました。

第2章に戻って本の概要をみる

おわり

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