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【英語多読】シドニィ・シェルダンの「真夜中は別の顔」|書籍紹介

(2022.3.27)

記事の概要
・英語多読王道の作家、シドニィ・シェルダンの「真夜中は別の顔」(The Other Side of Midnight)を英語原文で読みましたので簡単な感想とともにご紹介します。
・英語原文で読むハードルは高めだと思います。TOEICスコアは800点以上はないと厳しいかもしれません。内容は人によって好き嫌いが分かれそうな「女性の復讐劇」です。

1.はじめに

英語多読の定番の作家、シドニィ・シェルダンの「真夜中は別の顔」(The Other Side of Midnight)を原文で読み終えました。シドニィ・シェルダンの本を原文で読むのは「ゲームの達人」(Master of the Game)以来2冊目でした。

本記事では「真夜中は別の顔」(The Other Side of Midnight)の書籍紹介、簡単な内容及びどれくらいの難易度だったか等を原文を引用しつつ書き記していきます。

2.書籍紹介|真夜中は別の顔(The Other Side of Midnight) シドニィ・シェルダン

まずは以下に書籍情報をまとめます。

題名:The Other Side of Midnight (邦題「真夜中は別の顔」)
著者:Sidney Sheldon
出版社:William Morrow
初版年:1973年
ページ数:612ページ
単語数:143,000語 (概算)

The Other Side of Midnight
created by Rinker

・内容を一言で

“The Other Side of Midnight”の内容を一言で言うと「三角関係と女性の復讐劇」です。第二次世界大戦前後の激動の時代のアメリカ、ヨーロッパを舞台に2人の女性の人生がそれぞれ交互に描かれ、1人のイケメン男性を通して2人の女性の運命が絡み合っていく物語は読み応えがありました。
ネタバレを含む更なる内容を知りたいと言う方は以下のリンクをご参照頂ければと思います。
ウィキペディア「真夜中は別の顔」

・洋書の難易度

2人の女性の物語が同時進行で交互に進んでいきます。登場人物も非常に多いので、単純に覚えるのと物語についていくのが大変です。入り組んだ内容の小説を読んでいる時に良くある「あれ、これ誰だったっけ?」的なやつがちょいちょい起こります。英語原文で読んでいるとなおさら大変になります。
英語力で言うとTOEIC800点以上ないと楽しんで読むのは難しいのではないかと思います。

・個人的なおすすめ度

「真夜中は別の顔」(The Other Side of Midnight)の個人的なおすすめ度は星3つ(5つ星中)とさせて頂きます。長く壮大な物語の中で、どうしても中だるみしている様に感じたので、読んでて退屈に感じる事がありました。
最後の裁判のシーンでの伏線回収は見事でしたが、そこにたどり着くまで長く、600ページを超える本なので、読み終えるまでにかなり時間が掛かりました。ただそれだけ長くても最後まで続きが気になるし、引き込まれて読める感じはさすがシドニィ・シェルダンといったところです。

同じシドニィ・シェルダンの本でも、個人的には冒険要素のある「ゲームの達人」(Master of the Game)の方をおすすめ致します。こちらはダイヤモンド採掘の大冒険から始まる一族の壮大な大長編物語です。冒険している感覚が味わえて個人的にはこちらの方がおすすめです。「ゲームの達人」に関する過去記事があるので気になる方は合わせてご参照頂ければ幸いです。
個人的にシドニィ・シェルダンは「ゲームの達人」と今回の「真夜中は別の顔」の2冊でお腹いっぱいになりました。どちらも読みごたえがあり、代表作でもあると思うので、読んで損はない書籍でした。

・総括

シドニィ・シェルダンの「真夜中は別の顔」(The Other Side of Midnight)を読んで感じた事を以下に総括します。

TOEIC800点以上の英語力は無いと楽しみながら読むのは恐らく難しい。
・「女性の復讐劇」の大長編物語。600ページ以上。
・「三角関係」、「女性の復讐劇」の物語が面白そうだと思う人で、英語力が十分ある方にはおすすめ。内容を楽しめるかどうかは人を選ぶのではないかと思われる。
14万語以上もあるので、英語多読学習にはとてもプラスになる。

”The Other Side of Midnight”は、続編の”Memories of Midnight”という作品もあるのですが、こちらも400ページ越えの長編です。シドニィ・シェルダンの本は一旦お腹いっぱいになったので、しばらくはもっとサクッと読める本を読んでいこうと思っています。

Memories of Midnight
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3.英文抜粋引用、和訳

本章では”The Other Side of Midnight”より実際の英文を少しだけ抜粋して引用・和訳していきます。物語の雰囲気や、英文の難易度の確認の役に立てば幸いです。

✅まずは時代背景の描写。ダブルヒロインの一人のノエルが育ったのは、ドイツのナチス政権統治下のフランスです。

The impact of events was felt sharply in France. There were shortages in the stores and markets, as the government began to gear for a massive defence effort. Soon, Jacques feared, they would even stop the fishing and then where would he be?

Sheldon, Sidney. The Other Side of Midnight: The master of the unexpected (p.43). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

その出来事の衝撃はフランスでは強く感じられた。政府は(ナチスの統治に対して)強烈な自衛行動を取る事で一致し始めたので、店や商店では物不足だった。政府は漁業も禁止するであろうと、ジャックは恐れ始めた、もしそうなったらどこに行けば良いのか?

✅続いてノエルが復讐に燃えるシーンより。

She was an avenging Phoenix rising from the ashes of the emotions that Larry Douglas had murdered in her.

Sheldon, Sidney. The Other Side of Midnight: The master of the unexpected (p.79). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

彼女は復讐に燃える不死鳥だった。ラリー・ダグラスが彼女の中から消し去った感情の灰から飛び立ったのだ。

📝avenge:仕返しをする、復讐をする

✅物語の後半では大変な事になってしまうCatherineですが、ギリシャでの幸せな場面より。

But Catherine’s favourite place was Paros, a graceful, verdant island capped by a flower-covered mountain.

Sheldon, Sidney. The Other Side of Midnight: The master of the unexpected (p.401). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

しかしキャサリンのお気に入りの場所は(ギリシャの)パロスだった。花がたくさんの、山に囲まれた優美で緑豊かなその島が好きだったのだ。

📝graceful:優美な
📝verdant:緑豊かな

4.さいごに

本記事ではシドニィ・シェルダンの「真夜中は別の顔」(The Other Side of Midnight)の書籍紹介、簡単な内容と原文引用等しつつご紹介しました。おすすめ度はそこまで高くありませんが、読み応えがあり、さすがは大作家シドニィ・シェルダンといったところは随所に感じる事が出来ます。英語学習をしていない方でも物語自体に興味のある方は、和訳版ももちろんありますのでそちらで読んで頂くのも一考と思います。ページ数が多いので、日本語版は上下巻に分かれています。

真夜中は別の顔〈上〉
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洋書は14万語以上もあるので英語多読には非常にプラスになったと思います。今後100~200ページ程度の本を読むハードルは下がったと思うので、間違いなく今後の読書のためになったと感じています。本記事がお役に立てば幸いです。

第2章に戻って書籍情報を見る

おわり

<参考記事>
・個人的には、シドニィ・シェルダンなら「真夜中は別の顔」よりも「ゲームの達人」の方をおすすめします。

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