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思想書・哲学書で英語多読|Walden「ウォールデン 森の生活」ラダーシリーズ Level 3 (Henry David Thoreau)

(2024.11.4)

この本はこんな方におすすめ
・アメリカ文学史に残る有名な思想書である「ウォールデン 森の生活」を短く編纂された読みやすい英語で読みたい方。
・人類と自然界の関係性について深く考えたい方。

記事の概要
・アメリカ文学史においても重要とされる、Henry David Thoreau(ヘンリー・デイヴィッド・ソロー)の「ウォールデン 森の生活」を、短く平易にまとめられたラダーシリーズ版で読みました。
・本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめます。
・レベル3の難易度で、英検準2級レベル、TOEICスコア500〜600点というレベル設定ではありますが、哲学書を読み慣れていない方には非常に難しい本です。
ネイチャーライティングの源流とされる本書。高度な文明社会に生きる人類が自然界とどう向き合うべきか考えたい方にはおすすめの一冊です。

1.はじめに

この記事では、Walden「ウォールデン 森の生活」(ラダーシリーズ Level 3)をご紹介します。1854年に刊行された作品で、作者はアメリカ東部マサチューセッツ州出身の作家Henry David Thoreau(ヘンリー・デイヴィッド・ソロー)です。ネイチャーライティングの源流と言われる本書は、作者のウォールデン池のほとりでの約2年の自給自足的な生活について書かれています。森での生活で身に着けた工夫や知恵、近代の高度文明社会に対する批判的考察等が論じられます。

グーグルマップで検索すると、「ソローの小屋跡地」(Thoreau Cabin Site)なるものが出てきました。森で生活し、この作品を執筆した際の小屋が観光地化されている様です。

この記事では、短く平易な英語で編纂された「ウォールデン 森の生活」のラダーシリーズ版の本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめます。
私がこの本を知ったのは学生時代のアメリカ文学史の講義でした。もう20年近くも前ですが。そんな、アメリカ文学史に残る有名な一冊である「ウォールデン 森の生活」を読んで、英語を学びつつ、人類と自然界の関係性について考察を深めたい方にはおすすめの一冊です。

・ラダーシリーズとは

主に語学書を中心に出版している日本のIBCパブリッシング社による、英語多読の教材がラダーシリーズです。ラダーですので、「はしご (ladder)」を登っていくイメージで、語学力をステップアップさせていきましょう。文学の名作や偉人伝、歴史、科学など多岐にわたるジャンルの英語書籍を多数取り揃えており、どんな興味の英語学習者のニーズも満たしてくれるシリーズです。語学上達の秘訣はなんといっても「多読」ですので、自分の興味のあるジャンル、自分の語学力に合った語彙で書かれた本を楽しみながらたくさん読みましょう。なるべく速く、英文を訳さなくてもそのまま読める簡単な本をどんどん読んでいきましょう。そんな学習の教材にラダーシリーズは最適です。

参考:IBCパブリッシング ラダーシリーズ特設サイト ラダーシリーズについて

2.本の概要|Walden「ウォールデン 森の生活」ラダーシリーズ Level 3

Walden ウォールデン 森の生活 (ラダーシリーズ Level 3)
created by Rinker

題名 Walden
「ウォールデン 森の生活」 ラダーシリーズ Level 3
著者 編纂 Michael Brase

オリジナル版:Henry David Thoreau著
Walden; or, Life in the Woods(1854年)

ジャンル 思想書、哲学書、エッセイ、ノンフィクション
出版社 IBCパブリッシング
出版年 2007年
ページ数 64ページ

参考:Wikipedia ウォールデン 森の生活

・あらすじ

作者ソローがアメリカ東部マサチューセッツ州コンコードのウォールデン池のほとりの森での生活を始めた理由や、自給自足的な生活をしていく上での知恵、近代文明社会への批判的考察が繰り広げられます。時にネイティブアメリカン(本書の中では時代背景もあり“Indian”とあえてそのまま記される)と西欧からの入植者達の生活を比べて論じられます。根底には自然を愛する作者の思想が強く感じられます。

・洋書の英語レベル、難易度

ラダーシリーズ「ウォールデン 森の生活」の難易度はレベル3とされており、英検で言うと準2級レベル、TOEICスコアでは500〜600点というレベル設定になっていますが、大変読みづらい本です。
日本語だとしても哲学書を読んでいると、言葉は全て分かるのに読んでいても頭にさっぱり入ってこない事があると思います。それの英語版の様な感じだと思いました。哲学書や思想書を読み慣れていない方には非常に難しい本だと感じました。原作だとなおさらだろうと想像します。アメリカ文学においては重要かつ有名な作品なので、興味がある方はまずラダーシリーズ版を読んでみる事をおすすめします。

・本の感想~英語多読でのおすすめ度は星1.5/5つ中

ラダーシリーズの「ウォールデン 森の生活」の、英語多読教材としてのおすすめ度は星1.5(5点満点中)です。レベル3の難易度設定で、1つ1つの単語は確かに平易なのですが、思想書や哲学書特有の抽象的概念の説明が非常に分かりづらく、多読によって英語力・英会話力を高める目的には沿わない本だと思います。この様な思想書・哲学書の類を英語で読んでみたいという方にのみおすすめ出来る一冊かなと思います。

3.書籍から英文引用・和訳|Walden「ウォールデン 森の生活」ラダーシリーズ Level 3

この章ではラダーシリーズ版「ウォールデン 森の生活」から、英文を一部引用して和訳していきます。本書を実際に読むかどうか迷っている方はご参考頂ければ幸いです。

📝冒頭より、執筆の背景

I wrote most of this book while I was living alone in the woods near the town of Concord, Massachusetts. I lived in a house that I built myself, on the shores of Walden Pond, a mile from any neighbor.

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー. Walden ウォールデン 森の生活 ウォールデン 森の生活 (p.9). IBCパブリッシング. Kindle 版.

私はマサチューセッツ州コンコードの街近郊に位置する森で一人で暮らしていた時にこの本の大部分を執筆した。私は1マイル四方に隣人がいない、ウォールデン池のほとりで自ら建てた家に住んでいた。

📝本当に必要なものは何なのか考察する

We could learn much, I think, by living a primitive or frontier life, even in the middle of modern culture, in order to discover what is really necessary for life.

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー. Walden ウォールデン 森の生活 ウォールデン 森の生活 (p.16). IBCパブリッシング. Kindle 版.

原始的な生活や未開拓地での生活を送る事で、現代文明の時代においても、人生に本当に必要なものを見つける為に多くのものを学び取る事が出来ると思う。

📝自給自足で食料を得る事について

In some countries, the summer is nearly a perfect time of the year, seen from a human point of view. Fuel is unnecessary except to cook. The sun provides the only fire that is needed, and much of the fruit is cooked by its rays.

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー. Walden ウォールデン 森の生活 ウォールデン 森の生活 (p.17). IBCパブリッシング. Kindle 版.

いくつかの国においては、ヒトが生活していくという観点で、夏場はほぼ完璧な季節だ。燃料などというものは、料理以外には必要ない。必要な火は太陽が提供してくれており、その光によって大概のフルーツを調理できるのだ。

📝現代人のライフスタイルに疑問を投げかける

After a night’s sleep, the next morning’s news is just as important as eating breakfast. People want to know what has happened to everyone on the planet, over their coffee and rolls.

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー. Walden ウォールデン 森の生活 ウォールデン 森の生活 (p.61). IBCパブリッシング. Kindle 版.

(現代人にとって)一晩眠ったら、翌朝のニュースは朝食と同じくらい大切なのだ。人々はパンを食べコーヒーを飲みながら、(自分と関係のない地球上の)どこかの誰かに起きた事を知りたがっているのだ。

4.さいごに

この記事ではラダーシリーズ版「ウォールデン 森の生活」の、本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめました。レベル3の難易度で単語1つ1つは易しいのですが、哲学書独特の抽象的な表現が多く、読むのが難しい本だと感じました。この様な思想書・哲学書を読み慣れていて、興味を持たれた英語学習者の方にはおすすめです。
アメリカ文学史に残るネイチャーライティングの源流とされる重要な一冊をラダーシリーズで読みやすく編纂されているのは非常にありがたいです。自然を愛する心を持ち、高度な文明社会に生きる事に少し疲れてしまった方がその思想を深める為には有益な一冊かも知れません。さいごまで記事をお読み頂きありがとうございました。

第2章に戻って本の概要をみる

おわり

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