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英語多読|The Sands of Time(時間の砂)~シドニィ・シェルダンの良作逃亡劇

(2022.7.30)

記事の概要
シドニィ・シェルダンの小説「時間の砂」(The Sands of Time)を原文で読みましたので、本の概要、あらすじ、人物相関図、英語の難易度などを書き記します。
・原文から一部引用して和訳しますので、洋書を読むかどうか判断する一助になれば幸いです。

1.はじめに

シドニィ・シェルダン(Sidney Sheldon)の1988年発表の小説「時間の砂」(The Sands of Time)を洋書で読みました。内容は一言で言うと「過激派武装組織と修道女の逃亡劇」で、なかなか刺激的なストーリーになっております。本記事にて本の概要、あらすじ、英語の難易度などを書いていきます。ここでしか見られない人物相関図もありますので、読もうと思っている方は要チェックです。また、英語原文から一部引用して和訳しますので、洋書を読むかどうか判断するのに役立てて頂ければと思います。

2.書籍情報|The Sands of Time(時間の砂) シドニィ・シェルダン(著)

シドニィ・シェルダンの「時間の砂」(The Sands of Time)の書籍情報を以下にまとめます。

題名:The Sands of Time (邦題「時間の砂」)
著者:Sidney Sheldon
出版社:William Morrow
出版年:1988
ページ数:412ページ
単語数:約99,000語

The Sands of Time|Sidney Sheldon (著)
created by Rinker

sands of timeとは、直訳すると「刻一刻」という意味で、砂時計の砂が徐々に落ちて残り時間が減っていく様なニュアンスです。

・物語の内容を一言で(ネタバレはなしで)

舞台はスペイン。少数民族のバスク人の独立国家創設を目指す武装集団のリーダー、Jaime Miró(ハイメ・ミロ)が主人公。スペイン政府からはテロリスト扱いされている。そんなMiró一行があるきっかけから敬虔な修道女4人を連れて逃亡を共にすることになった。物語は修道女たちの過去、Miróたちの生い立ちとスペイン縦断の旅が交錯するスリリングな展開の逃亡劇です。シェルダンらしいジェットコースターの様な激しい展開、恋愛あり、冒険あり、サスペンスありのハラハラドキドキのストーリーです。

・人物相関図

物語は武装集団のリーダーのJaime Miró、修道女のLucia(ルチア)、Miróを追いかける政府軍のAcoca大佐を中心に展開します。以下相関図をご参照頂ければ幸いです。

URL:https://docs.google.com/spreadsheets/d/e/2PACX-1vRlJ8JjLABVKw5G5pZEqkZ2H39sTrybP6LqMNfM7s42gqvBtYg-VqnPIq-9le0hZCOpT3p3ydIHz4KZ/pubhtml

・英語の難易度

The Sands of Time (時間の砂)の洋書の英語は難しめだと感じました。TOEICスコアでいうと800点以上は必要でしょう。次章にて原文を一部抜粋して和訳していますので、洋書を読むかどうか判断する指標にして頂ければと思います。

・本の感想~おすすめ度は星2.5/5つ中

シドニィ・シェルダンの「時間の砂」(The Sands of Time)のおすすめ度は5つ星中2.5です。ちょっと厳しめですが、英語がやや難しめだった点、登場人物の過去・現在と結末のつながりにそれ程見事さを感じなかった点や、その割に長めの小説なので、中だるみ感があったのでこの評価にしました。しかしさすがのシドニィ・シェルダンですので、個々のストーリーは面白く刺激的ですので、最後まで読み進められてしまいました。
「テロリストと修道女の逃亡劇」という刺激的な物語にどうしても惹かれてしまうという方はチェックしてみる事をおすすめします。

3.書籍から抜粋引用・和訳

本章では「時間の砂」(The Sands of Time)から原文を一部抜粋・引用して和訳していきます。洋書にチャレンジするかどうか判断する指標にして頂ければと思います。

・まずは主人公のJaime Miró(ハイメ・ミロ)の紹介文。バスク民族独立派のカリスマ的存在。

Jaime Miró was a legend, a hero to the Basque people and anathema to the Spanish government.
Sheldon, Sidney. The Sands of Time (p.6). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

ハイメ・ミロはバスク人にとっての伝説的な英雄であり、スペイン政府にとっては目の敵であった。

・ミロを捕らえられない政府軍側のいら立ちが出ているセリフ

‘We’re looking for one terrorist, and the whole army and police force are unable to find him.’
Sheldon, Sidney. The Sands of Time (p.14). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

「たった一人のテロリストを探し出すのに、全軍と警官総出でも見つけられないのか!」

・ミロと逃亡を共にする尼たちがいる修道院の描写

In four hundred years nothing inside the walls of the convent had changed, except the faces. The sisters had no personal possessions, for they desired to be poor, emulating the poverty of Christ.
Sheldon, Sidney. The Sands of Time (p.21). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

400年間修道院の壁の内側では顔ぶれ以外何も変化がなかった。修道女たちはキリストの貧困苦になぞらえてなにも所有物を持たず、すすんで貧しい生活をする事を望んだ。

The women who shared their lives with the Lord lived together, worked together, ate together and prayed together, yet they never touched and never spoke.
Sheldon, Sidney. The Sands of Time (p.21). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

尼たちは主(キリスト)の下で働き、祈り、生活を共にしたが、決して触れ合わず言葉を発する事もなかった。

彼、彼女らがどの様な過去を抱えていて、どの様に出会い、どの様に物語が展開していくのかは作品を読んでからのお楽しみです。

4.さいごに

本記事ではシドニィ・シェルダン(Sidney Sheldon)の小説「時間の砂」(The Sands of Time)の洋書の本の概要、あらすじ、人物相関図、英語の難易度、原文から引用・和訳しました。バブル期前後に日本でもブームになったシドニィ・シェルダンですから和訳版もあるのですが、絶版の様で今は中古でしか手に入らない状況です。
「武装集団と修道女の逃亡劇」というスリリングな物語でしたが、それぞれの登場人物の過去と現在、逃亡劇の展開の絡み合いにはそこまで見事さは感じられませんでした。しかし、大作家シドニィ・シェルダンですから、個々のストーリーは面白く、読ませる力は抜群で最後まで手に汗握りながら読めてしまいます。
英語多読学習的にはやっぱり良い、おすすめの作品です。

第2章に戻って作品情報を見る

おわり

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