(2022.5.1)
記事の概要
・2005年のニューベリー賞受賞作の”Kira-Kira”(Cynthia kadohata著)の、書籍紹介、簡単な内容、英語の難易度などについてまとめます。
・実際の英文を一部抜粋して和訳します。読むにあたってご自身の英語レベルに合っているかどうか判断する指針になれば幸いです。
1.はじめに
英語多読学習の一環として、日系アメリカ人女性作家のCynthia Kadohata(シンシア・カドハタ)氏の小説、”Kira-Kira”(キラキラ)を読み終えました。2005年のニューベリー賞受賞作です。
【読了】
2005年のニューベリー賞受賞作品📖
日系アメリカ人のCynthia Kadohata(シンシア・カドハタ)氏(@CindyKadohata)の"Kira-Kira"を洋書で読み終えました😀
幼い姉妹の友情と成長の物語、貧しい日系アメリカ人家族の苦労も垣間見える作品でした✨https://t.co/rDySDHITny#英語 #多読 #英語学習 pic.twitter.com/AjlhpeOFw7— みっちー@英語学習ブロガー (@michi1009_t) April 28, 2022
※このツイートはカドハタさんご本人にもリツイートして頂きました。大変感謝申し上げます。
本記事ではKira-Kiraの書籍情報、簡単な内容、英語の難易度、また、実際の英文を一部抜粋・和訳をして紹介していきます。読む前にあなたの英語レベルに合っているかどうか判断する目安になればと思います。
2.書籍紹介|”Kira-Kira” Cynthia Kadohata
本章ではCynthia Kadohata氏の”Kira-Kira”の書籍情報を紹介していきます。
題名:Kira-Kira (邦題「きらきら」)
著者:Cynthia Kadohata (シンシア・カドハタ)
出版社:Atheneum Books for Young Readers
初版年:2005年
ページ数:244ページ
単語数:情報なし
アメリカの優れた児童文学作品に贈られるニューベリー賞を2005年に受賞しています。
・簡単な内容~ネタバレはありません
Kira-Kiraでは、1950年代頃のアメリカ南部を舞台に貧しい日系人家族の日常が描かれています。主人公で妹のKatieと、頭脳明晰・活発な姉のLynnの姉妹の物語を中心にすすんでいきます。
カジュアルな表現で言うと、「日常系」と言った感じの物語です。家族の引っ越しがあったり、キャンプに行ったり、姉のLynnに小学校で友達が出来て妹と疎遠になったり、弟が生まれたり、両親が共働きでどんどん忙しくなって家族の時間が減ってしまったり…。そんな日常系ストーリーの中で、当時の日系アメリカ人の貧しい家庭が米国で暮らす苦悩みたいなものも垣間見えました。
また、最終的には姉妹の友情の物語であり、妹の成長物語といった形で結末を迎えました。妹だけでなく家族としても良かったのかなと思いました。これ以上はネタバレを含んでしまうので、やめておきます。
・英語の難易度
Kira-Kiraの英語の難易度ははっきり言って難しいです。日系アメリカ人の作者が書いているからと言って決して平易な英語で書いてあるわけではありませんので注意です。TOEICスコアで言うと、850点位は無いと結構きついかも知れません。意外とページ数も多く、最後まで読み切るのは地味に大変でした。
主人公のKatieが、出かけている合間の車の中で急に空想にふけり始めたりするので、英語を読むので精一杯なので、その辺りが読解を難しくさせている一因かもしれません。後半からは物語が動くし、結末がぐっとくるものがあったので楽しめましたし、最終的には読んで良かったです。
3.英文抜粋引用・和訳
本章ではCynthia Kadohata(シンシア・カドハタ)氏の”Kira-Kira”(キラキラ)の洋書から、実際の英文を抜粋して和訳していきます。洋書にチャレンジするかどうか判断する指標になりましたら幸いです。
✅まずは物語の冒頭から。
I was born in Iowa in 1951. I know a lot about when I was a little girl, because my sister used to keep a diary. Today I keep her diary in a drawer next to my bed.
Kadohata, Cynthia. Kira-Kira (p.2). Atheneum Books for Young Readers. Kindle 版.
私は1951年にアイオワ州で生まれました。姉(Lynn)が日記をつけていたので、幼い頃の出来事をたくさん知っています。今日は彼女の日記を私のベッド横の引き出しに入れておきます。
✅主人公のKatieの空想っぽい描写。
Sometimes I thought about my future, because Lynn said I should. She said it was hard to tell at this point, but someday, if I didn’t go to Africa to study animals, I might be a beautiful genius tennis player.
Kadohata, Cynthia. Kira-Kira (p.33). Atheneum Books for Young Readers. Kindle 版.
時々私は未来のことに想いを巡らせます。Lynnがそうしろと言うので。姉は今の段階では未来の事を言い当てるのは難しいと言っていたが、いつか私(Katie)がアフリカに行って動物研究者になっていなければ、美しくて天才的なテニス選手になるだろうと思っていました。
✅引っ越した先(米国南部のジョージア州)の描写。日本人はよそ者扱いされる事に関してKatieが問いかけ、父が答えるシーン。
“Because, there’s only thirty-one Japanese people in the whole town, and there’s more than four thousand people in the town, and four thousand divided by thirty-one is . . . a lot more of them than of us. Do you understand?”
Kadohata, Cynthia. Kira-Kira (p.50). Atheneum Books for Young Readers. Kindle 版.
「町全体に日本人は31人しかいないんだ。そして町には4千人以上の人がいる。4千割る31は…我々(日本人)よりはるかに多くの人がいるからだよ。分かるかい?」
✅両親の仕事はニワトリの雌雄鑑別(Chicken Sexer)。養鶏場(Hatchery)で働いている。
Chicken sexing was invented in Japan. Then a Japanese man came to Chicago and started a school to teach Japanese Americans how to sex chickens.
Kadohata, Cynthia. Kira-Kira (p.162). Atheneum Books for Young Readers. Kindle 版.
ニワトリの雌雄鑑別は日本で発明された。ある日本人がシカゴに来て学校を開き、日系アメリカ人にニワトリの雌雄判定を教えた。
・和訳版を先に読むのもあり
「英語版が少し難しそうだな」と感じたら、和訳版を先に読んでから洋書にチャレンジするのもありかもしれません。以下の代田 亜香子氏翻訳版があります。どうやらハードカバー版のみの様です。
4.さいごに
日系アメリカ人が、ニューベリー賞を受賞しただけあって、”Kira-Kira”は結構日本語の情報も多いです。Wikipediaのシンシア・カドハタ氏のページには、キラキラのネタバレ情報も少し含まれていますので閲覧にはご注意下さい。
・Wikipedia(日本語版) 「シンシア・カドハタ」
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%89%E3%83%8F%E3%82%BF
キラキラの他にもカドハタ氏は日系アメリカ人が主人公の小説をいくつか書いている様ですので、いつか読んでみたいなと思いました。個人的には今回の’’Kira-Kira’’を読み切るのは難しかったですが、結末は良かったですし、英語多読学習的にもプラスになりました。
<著者情報その他>
・シンシア・カドハタさんのホームページ
URL:https://www.cynthiakadohata.com/
・ツイッター
URL:https://twitter.com/CindyKadohata
おわり
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