(2022.10.7)
記事の概要
・シドニィ・シェルダンの小説「血族」(”Bloodline”)を洋書で読みましたので、本の概要、あらすじ、人物相関図、英語の難易度などを備忘録的に書き残します。
・原文から一部引用して和訳しますので、洋書の雰囲気を感じて頂けると思います。
・結論から言うと、個人的におすすめの作品ではありません。「血族」以外に読んで欲しいおすすめのシェルダン作品がありますので記事内でご紹介します。
1.はじめに
シドニィ・シェルダンの小説「血族」(”Bloodline”)の洋書を読みました。シェルダン作品はかれこれ6冊読み終えました。
【読了】📚
シドニィ・シェルダンのBloodline(血族)を洋書で読みました。
他のシェルダン作品と比べておすすめはしません(個人的感想)家族経営から世界的大企業になった一族の金銭絡みの争いは面白い設定でしたが伏線回収がイマイチで満足はできず💧https://t.co/oaGkRVmMq8#英語 #多読 pic.twitter.com/it9437ocNC
— みっちー@英語学習ブロガー (@michi1009_t) October 4, 2022
本記事では、作品の概要、あらすじ、人物相関図、英語の難易度などを書き記していきます。また、本文から一部引用して和訳しますので、洋書の雰囲気を感じ取ってもらえれば幸いです。人物相関図はここでしか見られないものだと思いますので、ぜひチェックしてみて下さい。これから読む方の助けになれば幸いです。
ただし、この「血族」(”Bloodline”)は、個人的にはあまりおすすめ作品ではありません。他におすすめのシェルダン作品を最後にご紹介しますので、そちらもお見逃しなく。
2.「血族」(Bloodline)の本の概要
シドニィ・シェルダンの小説「血族」(”Bloodline”)の本(洋書)の概要です。
題名:Bloodline (邦題「血族」)
著者:Sidney Sheldon
出版社:William Morrow
出版年:1977年
ページ数:329ページ
単語数:91,000語(推計)
・あらすじ~ネタバレはなしで
ファミリービジネスから世界2位の巨大製薬会社にのし上がったRoffe and Sonsの社長、Sam Roffeが登山中の事故により急死した。そのニュースは世界中の支店に散らばったRoffe一族に伝わる。
創業当時からのポリシーで株式上場せず、家族経営を代々貫いてきたRoffe and Sonsだったが、それぞれの事情で金銭的問題を抱えている者もおり、株式上場利益で一発逆転を狙いたい人物もいた。Samの娘Elizabethはビジネスの経験はなかったが、Roffe and Sonsの歴史を知り、Samの遺志を継ぎ上場せずに会社を守る決断をしたのだが…。
・人物相関図
本作”Bloodline”に出てくる主要な人物を図にまとめました。読書の助けになれば幸いです。
・英語の難易度
“Bloodline”の原文の英語の難易度は、TOEIC800点前後で読めると思います。シドニィ・シェルダン作品の中では難易度が高めの作品だと感じます。楽しみながら自然な形で英語を学んでいく多読学習においてはあまりおすすめできない作品かもしれません。
・本の感想~おすすめ度は星2/5つ中
”Bloodline”のおすすめ度は厳しめですが星2つ(5点満点中)です。シドニィ・シェルダン作品に期待する事といったら、「読みやすさ」や「先が気になるストーリー展開」で「どんどん読み進められる」事なのですが、この作品ではその魅力が発揮されていなかったと感じました。大企業一族の金銭がらみの問題やどろどろとした陰謀が渦巻く感じは良くて前半部分は楽しめましたが、後半部分が弱く、私的には尻すぼみな読書体験に終わりました。
3.書籍から英文引用・和訳
この章では、シドニィ・シェルダンの小説「血族」(”Bloodline”)の洋書から英文を一部抜粋、引用して和訳してご紹介していきます。洋書の雰囲気を感じ取って頂ければ幸いです。
・SamとRhys(リース)の会話。代々受け継がれた家族経営を守るSam。
But Sam had said, ‘I’m sorry. I can’t change the rules, even for you. Roffe and Sons is a privately held company. No one outside the family can sit on the board or hold stock.’
Sheldon, Sidney. Bloodline: The master of the unexpected (p.17). HarperCollins Publishers. Kindle 版.
だがサムは言った「すまない。ルールは変えられない、例え君に対してでもね。ロフアンドサンズは個人会社なんだ。家族以外の外部の者は役員になったり株式を持つことはできないんだ」。
・Samの登山での事故死を知らせる手紙
DEEPLY REGRET TO INFORM YOU THAT SAM ROFFE WAS KILLED IN A CLIMBING ACCIDENT. PLEASE BE IN ZURICH FRIDAY NOON FOR AN EMERGENCY MEETING OF THE BOARD OF DIRECTORS.
It was signed ‘Rhys Williams’.Sheldon, Sidney. Bloodline: The master of the unexpected (pp.30-31). HarperCollins Publishers. Kindle 版.
「Sam Roffeが登山中の事故で亡くなったことを謹んでお知らせします。つきましては役員会議を招集しますので、金曜正午にチューリッヒにお越しください。」そこには’Rhys Williams’のサインがあった。
・ElizabethがRoffe and Sonsの歴史が書かれた本をこっそり読むシーン。
But now, alone in the tower room, as Elizabeth opened the Book and began to read, Samuel and Terenia Roffe became alive. Elizabeth felt as though she had been transported back in time, that she was living in the ghetto of Krakow in the year 1853, with Samuel and Terenia.
Sheldon, Sidney. Bloodline: The master of the unexpected (p.75). HarperCollins Publishers. Kindle 版.
しかし今、タワールームで一人エリザベスはその本を開き、読み始めると、(先祖の)サミュエルとテレニアが彼女の中で生き生きとした存在となった。エリザベスはまるで当時の世界にタイムスリップした感覚で、2人と共に1853年のクラクフ(ポーランドの都市)のゲットーに生きているかの様に感じた。
上記例文で挙げた様な前半部分の物語は設定が面白く、楽しんで読む事ができました。
4.さいごに~もっとおすすめのシェルダン作品3つ
本記事ではシドニィ・シェルダンの小説「血族」(”Bloodline”)の洋書を読んだ感想、本の概要、あらすじ、人物相関図、英語の難易度などをまとめました。”Bloodline”はあまりおすすめではないので、他にもっと面白い、英語多読におすすめなシェルダン作品を3つ以下にご紹介します。
(1)The Sky is Falling(空が落ちる)
大富豪一族の謎の死亡事故をニュースキャスターの主人公Danaが取材していく物語。陰謀が超巨大で、終盤部分に明かされる闇が深すぎて驚愕、大興奮して読めました。個人的に1番おすすめのシェルダンノベルです。
(2)Master of The Game(ゲームの達人)
シドニィ・シェルダンの代表作と言えばこれ。南アフリカでのダイヤモンド採掘から始まる4世代に渡る一族の大長編物語。
(3)Morning, Noon and Night(遺産)
大企業のオーナー社長が亡くなり、遺された兄妹たちが遺産相続争いを繰り広げる。隠し子が現れ遺産相続の行方はどうなっていくのか。
こうして書いていくとシェルダン作品はお金の絡んだ陰謀であったり、強欲な人たちばかりが出てくる物語が多いことが分かります。そんな刺激的な物語を手に汗握りながら読みつつ、英語を学んでいきたい方にはシドニィ・シェルダンの小説はとてもおすすめです。
おわり
<参考記事>
・そもそも多読とは何?という方へおすすめの記事です。
・英語多読をするならアマゾンのkindleペーパーホワイトをおすすめします。