Culture

Holes|Louis Sachar著~英語多読定番の冒険小説

(2022.2.5)

記事の概要
・英語多読において必ず名前が挙がるルイス・サッカー著の”Holes”(「穴」)を読みましたのでご紹介します。
・本の中の英語がどれ位の難易度なのかや、簡単な内容紹介、実際の文章を少しだけ引用しご紹介していきます。

1.はじめに

最近はもっぱら洋書を読んで英語学習をしています。今回は英語多読界隈では知らない人はいないであろうLouis Sachar(ルイス・サッカー)氏の”Holes”(「穴」)を読みましたのでご紹介していきます。多読を志す人がいつかこの作品を読もうと目標にする本だそうですが、私も何とか読み切る事ができました。

評判に違わぬワクワクする感じの冒険要素のある小説でした。本記事では洋書、”Holes”の簡単なあらすじと必要な英語学習レベル、実際の本から一部引用しつつ、ご紹介していきます。

2.書籍紹介~Holes(穴)の簡単なあらすじ

まずは書籍の基本的な情報を以下にまとめます。

著者:Louis Sachar(ルイス・サッカー)
題名:Holes
出版年:1998年
出版社:Farrar, Straus and Giroux
ページ数:241ページ
単語数:46,938語
1999年のニューベリー賞受賞作品

Holes (English Edition) 英語版 Louis Sachar (著)
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ニューベリー賞(The John Newbery Medal)とは、アメリカの優れた児童文学の著者に与えられる賞です。アマゾンなどでの紹介を見ても、推奨年齢は10才以上となっており、いわゆるジュブナイル小説です。あらすじをWikipediaから引用します。

・あらすじ
スタンリー・イェルナッツは、貧乏な家生まれで、大柄の中学生の男の子。この家の者は、何かと不運に見舞われやすく、そんなときは、いつもスタンリーのひいひいじいさんのせいにするのがお決まりになっている。そんなスタンリーは、野球選手のクライド・リヴィングストンが孤児院に寄付した靴一足を盗んだと間違われ、逮捕されてしまう。

その罰として、スタンリーはグリーン・レイク・キャンプに送られる。そこは、名前とは裏腹に、不毛の大地のど真ん中にある少年矯正施設である。スタンリーはそこで、Dテントの仲間たちにだんだんと受け入れられていく。同時に、彼は、指導員のミスター・ペンダンスキーや他の収容生からは頭が空っぽだといって相手にされていない「ゼロ」と呼ばれる少年と親しくなる。

引用元:Wikipedia 「穴 (ルイス・サッカー)」
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%B4_(%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC)

冒険要素もたっぷりの少年たちの物語です。そういう物語が読みたい方にはおすすめです。過去と現在の物語が交錯して最後に伏線を回収していく感じは見事です。逆に言えばちょっと複雑な構成になっているので、英語読解力がある程度無いと難しいとも言えます。次章では、英語多読の観点から見た”Holes”の難易度等について記していきます。

3.どんな方におすすめか~必要な学習レベル

Louis Sachar(ルイス・サッカー)の”Holes”は英語多読定番の書籍で、多読を志す人がいつかこの作品を読もうと目指す本です。以下の様な方であればおすすめできると思います。

・英語学習中級レベル以上
TOEICスコアで言えば750点以上でないと厳しいかもしれません。英語圏では対象年齢が10才以上となっていますが、あなどるなかれ、と言った感じです。

・少年たちの冒険物語が好きな方
こればかりは好みの問題。英語多読定番の書籍ではありますが、物語に興味が持てなければ無理に読まなくて良いと思います。逆に興味が持てればチャレンジして、難しい様であれば多読の原則に従って一旦あきらめて本のレベルを下げましょう。

英語多読定番の書籍で評判も良いので、期待し過ぎて読む前のハードルがかなり上がっていた為か、個人的にはまずまずといった感じでした。おすすめ度は星5つ評価でいくと、3.5位です。難しい文章もありましたが、物語に置き去りにされる程ではなかったので、楽しんで読めました。
冒険物語自体が個人的な好みではなかったですが、それでも楽しんで読めたので、逆に言えば冒険小説が好みの方であればハマる事間違いなしです。

・ディズニーで映画化(2003年)

”Holes”は2003年に、映画化されています。物語についていけるか不安な方は本を読む前に映画を見るのも良いと思います。逆に、本を読んでから映画を見るのも良いと思います。本を読んで自分の頭の中でイメージしていた世界が実際の映像になって目の前に広がる感覚は何とも言えません。以下に映画のトレーラー動画をご紹介します。

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4.英文抜粋引用、和訳

本章では洋書’’Holes’’から実際の文章を3つほど、一部抜粋・和訳してご紹介していきます。洋書にチャレンジできそうかどうかの指針になれば幸いです。

まずは主人公、Stanley Yelnatsの紹介の一部分。

He didn’t have any friends at home. He was overweight and the kids at his middle school often teased him about his size.

出典:Sachar, Louis. Holes (p.7). Random House Children’s Books. Kindle 版.

彼には気の許せる友達が一人もいなかった。彼は太っていたので、中学校の子供たちはよく彼の体型の事をからかっていた。

✅middle school:中学校
✅tease:からかう

続いてはグリーンレイク・キャンプで穴掘りを始めたあたりの場面から。

The digging got easier after a while. The ground was hardest at the surface, where the sun had baked a crust about eight inches deep.

出典:Sachar, Louis. Holes (p.28). Random House Children’s Books. Kindle 版.

しばらくすると穴掘りは容易くなった。地面は表面が太陽に焼かれて深さ8インチ位までが一番硬かった。

続いては印象的だったセリフ。

So, she is beautiful. So what? Ptuui!

出典:Sachar, Louis. Holes (p.30). Random House Children’s Books. Kindle 版.

ええ、彼女は美しいわ。でもそれが何だっていうの?ペッ(唾をはく)!

✅ptuui:ペッ!と唾を吐く時の擬音

唾を吐く時の「ペッ!」という擬音を英語で何と表現するかは、気になった事もありませんでしたが、この本を読んで覚える事が出来ました。こんなイキイキとした言葉を覚えていけるのも洋書の読書の醍醐味です。知らなかった言葉を知れる喜びを噛みしめながら、楽しみながら学んでいけたら良いですね。

5.さいごに

本記事では洋書”Holes”(Louis Sachar(ルイス・サッカー)著)について、概要、難易度や、簡単な内容紹介、実際の文章を引用してご紹介しました。
個人的には、冒険小説がそこまで好みではない事と、ラストの掘り下げがもう少し欲しかったので、星3.5つ程度(5段階評価)といった感じです。ちなみに、’’Holes’’ではサブキャラだった登場人物が主人公の、スピンオフ的な続編小説も出ています。Holesを読んではまった、という方はこちらもいかがでしょうか。

Small Steps 英語版 Louis Sachar (著)
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いずれにしても、英語多読を志す人であれば一度は読んでおきたい必読書ですので、’’Holes’’は読んでおいて損はないと思います。

→第2章に戻って書籍情報を見る

本記事がお役に立てば幸いです。

おわり

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