(2023.7.16)
記事の概要
・アメリカ文学の古典の名作小説、「ハックルベリー・フィンの冒険」(Adventures of Huckleberry Finn)のOxford編纂版、「Huckleberry Finn」を読みましたので、本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめます。
・書籍から実際の英文を一部引用して和訳します。洋書を読むかどうか判断する参考にして頂ければと思います。
・名作を読みやすく編纂したOxford Bookworms Libraryの中で、レベル2となっており難易度は高くなく、気軽に手に取れる一冊です。
1.はじめに
アメリカ文学で誰もが一度は名前を聞いた事があるであろう不朽の名作、「トム・ソーヤーの冒険」の続編とされているのが「ハックルベリー・フィンの冒険」です。
この記事で紹介するのは、英語学習初心者向けに簡単な語彙だけで書かれたOxfordの編纂版「Huckleberry Finn」です。本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめ、書籍から実際の英文をいくつか引用して和訳します。原文の一部から本の世界に触れ、興味を持って頂けたら是非読んでみて下さい。アメリカ文学の名作ですので、読んでおいて損はありません。また、オックスフォードの編纂版はシリーズの中でもレベル2となっており、比較的読みやすくなっているのでおすすめです。
・オックスフォードブックワームとは~Oxford Bookworms Library
イギリスのオックスフォード大学の出版局、Oxford University Pressが出しているオックスフォードブックワーム(Oxford Bookworms Library)のシリーズは、英語学習者がレベルに合わせて本を選べる様に編纂されたシリーズです。ブックワームなので、「本の虫」という意味です。ボキャブラリーや本の長さ、文法レベル等に応じてレベル分けされており、英語学習者からの高い評価を得ております。
今回読んだ「Huckleberry Finn」はOxford Bookworms Libraryのレベル2でした。古典の名作の数々を平易な英語で読めるとてもおすすめのシリーズです。
→Oxford Bookworms Libraryに関するオックスフォード大学出版の日本語公式サイトはこちらをクリック
2.本の概要|Huckleberry Finn(ハックルベリー・フィン)
題名 | Huckleberry Finn Level 2 Oxford Bookworms Library 邦題「ハックルベリー・フィンの冒険」 |
著者 編纂 | Diane Mowat イラスト:Paul Fisher Johnson |
オリジナル版 | Mark Twain著 (1885年出版) |
ジャンル | 児童文学、冒険小説 |
出版社 | Oxford University Press |
出版年 | 2012年 |
ページ数 | 64ページ |
・あらすじ
前作「トム・ソーヤーの冒険」でお宝を見つけてTomと一緒に大金を手にしたHuckleberry Finn(ハック)。ハックは大金持ちのMiss Watsonの養子になり、敬虔なクリスチャンの上品な生活を強いられたが、彼の肌には合わないと感じていた。ハックが大金を手にした事を聞きつけた実の父(Pop)が現れ、ハックは暴力を受け、軟禁され、お金も奪われてしまったが、何とか逃げ出した。
ほどなくしてミス・ワトソンの黒人奴隷だったジムと再会。ジムは自分がアメリカ南部に売られる事を耳にし、脱走してきた。2人は奴隷制度を廃止している「自由州」を目指して旅に出たのであった。
・洋書の英語レベル、難易度
オックスフォード編纂版のHuckleberry Finnの洋書の英語は比較的読みやすかったです。オックスフォード大学出版の公式サイトの情報によると、英検準2級~2級レベルです。きちんと英語を勉強している方であれば、高校生レベルでも何とか読めるレベルだと思います。
・本の感想~英語多読でのおすすめ度は星4/5つ中
オックスフォード編纂版のHuckleberry Finnの英語多読学習教材としてのおすすめ度は4(5点満点中)です。当時のアメリカの奴隷制度や人種差別への批判的な姿勢が大いに評価されている作品ですが、短く編纂された本書では、その辺りの深みが削られてしまっている様に感じました。シンプルに冒険ものを楽しみたいのであれば、トム・ソーヤーの冒険の方をおすすめします。
3.書籍から英文引用・和訳|Huckleberry Finn(ハックルベリー・フィン)
この章では、オックスフォード編纂版のHuckleberry Finnより、原文を幾つか引用して和訳していきます。洋書の世界を体感してみて下さい。
✅冒頭部分で前作「トム・ソーヤーの冒険」についての振り返り
In that book robbers stole some money and hid it in a very secret place in the woods. But Tom Sawyer and I found it, and after that we were rich. We got six thousand dollars each – all gold.
Twain, Mark. Huckleberry Finn Level 2 Oxford Bookworms Library: 700 Headwords (p.8). Oxford University Press. Kindle 版.
その本(トム・ソーヤーの冒険)では盗賊が金を盗んで森の中の秘密の場所に隠したんだ。でもトム・ソーヤーと僕が見つけて、金持ちになったんだ。全て金で、各々6千ドルを得たんだ。
✅ハックの過去の貧しい境遇
In those days I never had a home or went to school like Tom and all the other boys in St Petersburg.
Twain, Mark. Huckleberry Finn Level 2 Oxford Bookworms Library: 700 Headwords (p.8). Oxford University Press. Kindle 版.
当時僕は家なしで、トムや他のセントピーターズバーグの子どもたちみたいには学校に行っていなかった。
✅新しい家での生活
I went to school most of the time and I was learning to read and write a little. It wasn’t too bad, and the widow was pleased with me. Miss Watson had a slave, an old man called Jim, and he and I were good friends. I often sat talking to Jim, but I still didn’t like living in a house and sleeping in a bed.
Twain, Mark. Huckleberry Finn Level 2 Oxford Bookworms Library: 700 Headwords (p.12). Oxford University Press. Kindle 版.
僕はだいたいいつも学校に行き、読み書きをある程度学んだ。悪くはなかったし、未亡人は僕に喜んでくれていた。ミス・ワトソンには年老いた黒人奴隷のジムがいて、彼と僕は良い友達だった。僕は良くジムと座って話していた、でも家に住んでベッドで眠る生活はやっぱり僕は好きになれなかった。
✅父親から監禁された小屋から逃げ出すハック
So I decided to escape and go down the river and live in the woods somewhere. When Pop was out, I began to cut a hole in the wooden wall of the hut. In a few days, when the hole was bigger, I could take the wood out, escape through the hole, and put the wood back.
Twain, Mark. Huckleberry Finn Level 2 Oxford Bookworms Library: 700 Headwords (p.17). Oxford University Press. Kindle 版.
だから僕は逃げ出して川を下ってどこかの森で暮らす決心をした。パパが出かけている時、僕は小屋の木の壁に穴を開け始めた。2~3日後に穴が大きくなった時、木を取り出せる様になったから穴から逃げ出して、木を元に戻した。
✅逃げ出したハックは、黒人奴隷のジムと再会する
There was a man lying by the fire. Suddenly, he sat up and I saw that it was Jim, Miss Watson’s slave!
Twain, Mark. Huckleberry Finn Level 2 Oxford Bookworms Library: 700 Headwords (p.20). Oxford University Press. Kindle 版.
焚火のそばに男が横たわっていた。突然立ち上がった彼を見ると、ジムだった!ミス・ワトソンの奴隷の!
ここから繰り広げられる冒険が気になる方はぜひ書籍を手に取ってみて下さい。
4.さいごに
この記事ではアメリカの名作冒険小説、「ハックルベリー・フィンの冒険」(Huckleberry Finn)のオックスフォード編纂版の洋書の情報をまとめました。前作「トム・ソーヤーの冒険」に比べるとダークな雰囲気の作品でワクワク感は落ちますが、米国文学の名作ですので読んで損はありません。非常に読みやすい英語で短くまとめられておりますので、名作に触れつつ英語を学びたい方にはおすすめです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
おわり
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