Culture

英語多読定番の本|シドニィ・シェルダンの「ゲームの達人」

(2022.1.16)

記事の概要
英語多読の王道の書籍、シドニィ・シェルダンの「ゲームの達人」を原文で読みましたので簡単な感想とともにご紹介します。
・英語学習中級者、TOEICスコアで言ったら700点以上ある方であればオススメ出来る大長編エンタメ小説です。

1.はじめに

英語力を伸ばすためにはたくさん読書をして大量にインプットをするのが良い、という「多読」のコンセプトを知り、洋書の読書を始めました。多読のコンセプトに関して詳細が気になる方は以下の過去記事をご参照頂ければ幸いです。

多読~もう挫折しない英語学習法~【おすすめ書籍紹介】(2021.9.9) 本記事の主旨を一言で表すと、「言語習得において読書はとても大切だ」という事です。 記事の概要 ...

私は仕事で主にアジアの方々と英語で日常的にやり取りをしているのですが、アジアの人との簡単な英会話であれば問題ないし、仕事上の英語のやり取りにおいても特に問題が無いです。しかしネイティブの英語話者の人達の英語の聞き取りが難しく、未だに映画を字幕なしで見る事は出来ないです。
そんな中、英語多読の定番であるシドニィ・シェルダンの「ゲームの達人」の洋書を読みましたが、気が付いた事は、自分が知らない単語がまだまだ山ほどある、という事でした。この本は500ページ(14万単語)近くもある長編小説なのですが、知らない単語がたくさん出てくるものの、何とか意味を推測しながら読み進められて今の自分にとって丁度良い(程良く難しい)レベルの英語で書かれた良書でした。

シドニィ・シェルダンの小説は1980~90年代に和訳版が出て日本でも人気を博した様です。ちょっと古い本ですが、展開が早く続きが気になる感じでどんどん読めるので今見ても十分楽しめます。次章であらすじにも少しだけ触れていきます。

2.書籍紹介~Master of the Game(ゲームの達人)の内容を一言で

本章ではシドニィ・シェルダン「ゲームの達人」の書籍情報と簡単な概要をご紹介していきます。

題名:Master of the Game (邦題「ゲームの達人」)
著者:Sidney Sheldon
出版社:William Morrow & Co (1982/8/1)
発売日:1982/8/1
ページ数:499ページ
単語数:約14万語

Master of the Game ハードカバー – 1982/8/1 英語版 Sidney Sheldon (著)
created by Rinker

物語は大きく分けて4部に分かれています。ネタバレを避けたい方は閲覧注意です。

(1)ダイヤモンド採掘
物語の主人公、Jamieが南アフリカにダイヤモンド採掘の旅に出る。ハラハラドキドキのジェットコースターの様な大冒険が繰り広げられる。
(2)Kate
2部ではJamieの娘のKateが中心人物となる。Jamieが始めた会社を継ぎ、グローバルな巨大コングロマリット企業に成長させた。その過程では2度の世界大戦もあり、様々な人間ドラマが繰り広げられる。
(3)Anthony(Tony)
Anthony(Tony)はKateの息子。絵を描く事に心酔して芸術の道を志すが…。
(4)Eve & Alexandra
Anthony(Tony)の娘の代になります。一卵性双生児で瓜二つの外見を持つ姉妹のEveとAlexandraが中心人物となります。恋愛劇、殺人、復讐劇など、飽きさせない展開であっという間にラストを迎えます。

内容を把握してから洋書にチャレンジしたい方や更なるネタバレをご希望の方には以下のサイトを参照される事をおすすめします。

<参考サイト>
本のあらすじを紹介「ゲームの達人/シドニー・シェルダン・著」(2012年3月11日日曜日)
URL:http://booksoutline.blogspot.com/2012/03/blog-post_6899.html

3.良い所~英語学習者の視点で

本章では英語学習という視点から、シドニィ・シェルダン「ゲームの達人」がどうなのかを考えていきます。

・主語がちゃんと書いてあるからついていきやすい

洋書を読んでいると、主語が省略されたりしていて、「誰が何をしているのかが分からない」状態になり、置き去りにされてしまうのはあるあるだと思います。しかしシドニィ・シェルダンの本ではきちんと主語が書いてあるので、誰が何をしているのかが分かりやすいので、迷子になる事なくついていきやすいのです。主人公がJamieなら、Jamieを主語にちゃんと書いてくれています。主語が省略されたり、heとかitとか何かの例えで表現されると途端に分からなくなるので、これはありがたいポイントです。例えば以下の様な文章です。

例文
Jamie gathered up the diamonds, put them in his pockets and strode out.

Jamieはダイヤモンドを集めてポケットの中に入れ、大股で歩いていった。
出典:Sheldon, Sidney. Master of the Game: The master of the unexpected (p.50). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

・最高のエンタメ読書体験

シドニィ・シェルダン「ゲームの達人」は、4世代にも渡る壮大な一族の話で、冒険あり、恋愛あり、復讐劇ありのジェットコースターの様なストーリーで、飽きずにどんどん読み進められます。途中で2度の世界大戦も起こり、激動の時代の誰もが興奮するエキサイティングな物語です。展開が早く、ご都合主義的な部分もありますが、ワクワクが止まらずどんどん先を読みたくなる魅力に引き込まれます英語学習中級者、TOEICスコアで言えば700点以上ある方であれば、楽しんで、あまり苦が無く読み進められるのではないかと思います。

4.「ゲームの達人」をおすすめする人、おすすめしない人

本章ではシドニィ・シェルダン「ゲームの達人」をおすすめ出来る人と、逆におすすめ出来ないのがどんな人なのかを考えていきます。

おすすめできる人
・英語多読を実践している方で、児童書やヤングアダルト小説レベルでは物足りなくなってきた英語学習中級以上の方。TOEICのスコアで言えば、700点以上ある方であれば楽しめると思います。
・ボキャブラリーを増やしたい方。

逆におすすめが難しい方は以下の様な方かも知れません。

おすすめできない人
・ストーリーが圧倒的に長い(約500ページ)ので、読書が苦手な人は挫折してしまうかも知れません。
・読みやすい文章で書かれている方ではありますが、英語初学者の方には厳しいと思います。多読の鉄則に従って、読んでいてストレスを感じたらあきらめて自身のレベルにあった別の本を探してどんどん読みましょう

5.英文抜粋引用、和訳

「ゲームの達人」を読んでいて、前半のダイヤモンド採掘のパートで何度も”sea mis”という表現が出てきたのですが、ネット辞書で調べても出てこないので、モヤモヤしていたのですが、以下のYouTubeの動画で確認してスッキリしました。「ゲームの達人」では、ちょいちょいこういった南アフリカの言葉なのか訛りなのか、良く分からない単語が出てきます。

動画タイトル:Master Of The Game – Episode 2 – Mini-Series – English
URL:https://www.youtube.com/watch?v=1G1i5KjpAtU&t=365s

権利的な部分が大丈夫なのかどうか不安な動画ではありますが、前半のダイヤモンド採掘の冒険部分の映画がアップされていました。Bandaが”sea mis”と叫ぶシーンは6分5秒頃です。

例文
‘It’s the sea mis!’ Banda exclaimed. ‘It comes in two or three times a week.’

「海霧が出るんだ!」とバンダは叫んだ、「週に2~3回は来るんだ」
出典:Sheldon, Sidney. Master of the Game: The master of the unexpected (p.86). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

次の例文は、後半パートでKateが娘に裏切られたシーン。ここでもきちんと主語が書いてあるので分かりやすい。

Now Kate studied the beautiful, angel-faced monster in front of her.

Kateは今目の前にいる美しい天使の顔をした化け物を見つめていた。
出典:Sheldon, Sidney. Master of the Game: The master of the unexpected (p.346). HarperCollins Publishers. Kindle 版.

6.さいごに

この記事ではSidney Sheldonの”Master of the Game”(ゲームの達人)について簡単な感想と、英語学習の視点から解説をしました。洋書は英語学習中級者向けにおすすめですが、物語自体が非常に刺激的で面白いので、普通に和訳版を読むのもおすすめです。

ゲームの達人(上) 単行本 – 2010/9/10 シドニィ シェルダン (著), 天馬 龍行 (翻訳)
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原作の洋書は約500ページ(約14万語)もあるのですが、英語でこのボリュームの本を読み切れた事は達成感があり、ある種の自信になりました。今後同じ位の難易度の200ページ位の本であればそれ程苦労せず読めるかな、と感じられました。これからも英語多読の定番の本をどんどん読んでいきたいなと思っています。

第2章に戻って書籍情報を見る

おわり

<参考記事>
・シドニィ・シェルダンのもう一つの代表作の「真夜中は別の顔」(The Other Side of Midnight)の記事です。

【英語多読】シドニィ・シェルダンの「真夜中は別の顔」|書籍紹介(2022.3.27) 記事の概要 ・英語多読王道の作家、シドニィ・シェルダンの「真夜中は別の顔」(The Other Si...

POSTED COMMENT

  1. […] 同じシドニィ・シェルダンの本でも、個人的には冒険要素のある「ゲームの達人」(Master of the Game)の方をおすすめ致します。こちらはダイヤモンド採掘の大冒険から始まる一族の壮大な大長編物語です。冒険している感覚が味わえて個人的にはこちらの方がおすすめです。「ゲームの達人」に関する過去記事があるので気になる方は合わせてご参照頂ければ幸いです。 個人的にシドニィ・シェルダンは「ゲームの達人」と今回の「真夜中は別の顔」の2冊でお腹いっぱいになりました。どちらも読みごたえがあり、代表作でもあると思うので、読んで損はない書籍でした。 […]

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