(2023.10.03)
この本はこんな方におすすめ
・海洋冒険小説の名作。海賊の出てくる物語に興味がある方。
・英語学習中級者向け。英検2級~準1級レベル。
記事の概要
・イギリス文学史に残る名作、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの「宝島」(Treasure Island)(1883年)のOxford編纂版を読みましたので、本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめます。
・ハラハラドキドキが止まらない海洋冒険・宝探しの小説です。
・書籍から実際の英文を一部引用して和訳します。洋書を読むかどうか判断する参考にして頂ければと思います。
・名作を読みやすく編纂したOxford Bookworms Libraryの中のレベル4です。英語学習中級向け。
1.はじめに
イギリス文学史に残る名作、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの「宝島」(Treasure Island)(1883年)のOxford編纂版を読みました。海賊たちが登場するハラハラドキドキが止まらない冒険小説です。
この記事では「宝島」の本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめます。また、書籍から英文を一部引用・和訳します。洋書の世界観を味わって頂き、気に入ったら是非お読み頂きたいと思います。
洋書読了📘
イギリス文学史に残る名作「宝島」をOxford編纂版で読み終えました😀
(1883年 ロバート・ルイス・スティーブンソン著)現代の海賊モノにも強い影響を与える偉大な海洋冒険小説🌊
ハラハラドキドキが止まらないストーリーで必読の書です👍#英語学習 #多読https://t.co/zRsHmTnYft pic.twitter.com/4bAB4OvDXg— みっちー@英語学習ブロガー (@michi1009_t) October 1, 2023
・オックスフォードブックワームとは~Oxford Bookworms Library
イギリスのオックスフォード大学の出版局、Oxford University Pressが出しているオックスフォードブックワーム(Oxford Bookworms Library)のシリーズは、英語学習者がレベルに合わせて本を選べる様に編纂されたシリーズです。ブックワームなので、「本の虫」という意味です。ボキャブラリーや本の長さ、文法レベル等に応じてレベル分けされており、英語学習者からの高い評価を得ております。
今回読んだ宝島はOxford Bookworms Libraryのレベル4に分類されてます。この様な古典の名作の数々を平易な英語、かつ丁度良いボリューム感で読めるのでとてもおすすめです。
→Oxford Bookworms Libraryに関する、オックスフォード大学出版の日本語公式サイトはこちらをクリック
2.本の概要|Treasure Island (宝島)
題名 | Treasure Island Level 4 Oxford Bookworms Library 邦題「宝島」 |
著者 編纂 | John Escott イラスト:Ian Miller |
オリジナル版 | Robert Louis Stevenson著 (1883年) |
ジャンル | 海洋冒険小説 |
出版社 | Oxford University Press |
出版年 | 2012年 |
ページ数 | 97ページ |
単語数 | 15,125 words |
参考:Wikipedia 宝島
・あらすじ
ジム・ホーキンズが少年時代に体験した宝探しの船旅を後年に書き綴る形で物語が始まる。父が所有する海辺のさびれた宿屋「ベンボー提督」亭 (the Admiral Benbow inn)にある日、ビリー・ボーンズという、謎の箱を持った大男が現れた。
その男はしきりに「片足の男」をひどく恐れており、ホーキンズにお金を渡してその男が来たら知らせるように頼んだ。「ベンボー」に入り浸っていたボーンズは飲んだくれになり、ひょんな事で亡くなってしまった。彼の持っていた箱を、ホーキンズと友人のトレローニとリブシー医師の3人で調べた。そこから、ボーンズがかつてフリントという名前の船長のもとで海賊をしていた事が分かり、その頃に大西洋のとある島に隠した宝の地図が見つかった。
トレローニとリブシー医師はイギリスのブリストルで船を手配し、ホーキンズも共に宝探しの旅に出る事になったのだが、トレローニはジョン・シルバーという片足の男の助けを借りて乗組員を集めていたのだった…。
船の上での人間模様、島での争い、果たして宝を見つけて無事イギリスに戻る事は出来るのか…。
・洋書の英語レベル、難易度
Oxford編纂版のTreasure Island (宝島)の英語難易度は、中級向けです。Oxford Bookworms Libraryのレベル4となっており、英検で言うと2級~準1級レベルです。時々意味の分からない単語が出てきても、推測しながら読む事が出来ました。分からない単語を飛ばしても、大筋を掴みながら進んでいける、丁度いい難易度だと感じました。
・本の感想~英語多読でのおすすめ度は星4/5つ中
Oxford編纂版のTreasure Island (宝島)の英語多読学習教材としてのおすすめ度は星4つ(5点満点中)です。分からない単語が時々あったとしても、前後の文脈で推測しながら読みすすめていきやすい文章だったと思います。
船での宝探しの冒険という事で船員が多く、その分登場人物がやや多いと感じました。その為読み進めていく途中で「この人誰だっけ?」となって調べたりする手間がちょいちょいありました。全体としては読みやすく、ハラハラドキドキでテンポよく進んでいくストーリーでおすすめです。
3.書籍から英文引用・和訳|Treasure Island (宝島)
この章ではOxford編纂版のTreasure Island (宝島)から、実際の英文を引用・和訳していきます。スリル満点の宝探しの大冒険の世界を少しだけ味わって頂ければと思います。
✅冒頭より。ホーキンズが少年時代の冒険を手記する所から始まる。
Squire Trelawney, Dr Livesey, and the others have asked me to write down all I know about Treasure Island. My name is Jim Hawkins, and I was in the story right from the start, back in 17—. I was only a boy then, and it all began at the time my father owned the Admiral Benbow inn, at Black Hill Cove.
Stevenson, Robert Louis. Treasure Island Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.7). Oxford University Press. Kindle 版.
スクワイア・トレローニ、リブシー医師やその他の人達から、宝島について知っている事全てを書き記す様求められてきた。私の名前はジム・ホーキンズで、17歳の頃私は物語の始まりから関わってきた。ただの少年に過ぎなかったが、Black Hillの入り江にあり、父が保有していた宿屋 ベンボー提督亭で全てが始まったのだ。
✅ボーンズからの忠告「片足の男に気をつけろ」
‘But don’t call the law unless they give me the black spot, or if you see the seaman with one leg — he’s worse than any of them.’ ‘But what is the black spot, captain?’ I asked. ‘That’s a message, boy. I’ll tell you if they give me that.
Stevenson, Robert Louis. Treasure Island Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (pp.14-15). Oxford University Press. Kindle 版.
「だが”ブラックスポット“についての情報を得るまで弁護士を呼ぶな、それと片足の海の男だ。そいつは最悪だ。」「でもその”ブラックスポット”ってのは何だい?」と僕は聞いた。「それはメッセージだ。やつらが明かしたら教えてやる。」
✅フリント船長の話
‘And now, squire,’ said the doctor, ‘you have heard of this Flint, I suppose?’ ‘Heard of him!’ cried the squire. ‘He was the worst pirate that ever sailed. The Spanish used to tremble just to hear his name!’
Stevenson, Robert Louis. Treasure Island Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.21). Oxford University Press. Kindle 版.
「ところでスクワイア」とドクター(リブシー)は言った、「そのフリントについて聞いた事があるんだよな?」「聞いたとも!」とスクワイア(トレローニ)は言った、「やつは今までで最悪の海賊だ。スペイン人はやつの名前を聞いただけで震え上がったもんさ!」。
✅宝の地図を見つける
The book gave a list of all the money Flint had stolen from different ships during twenty years at sea. The doctor opened the paper and found a map of an island.
Stevenson, Robert Louis. Treasure Island Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.22). Oxford University Press. Kindle 版.
帳簿にはフリントが20年かけて海上で他所の船から盗んできた全ての金が網羅されていた。ドクター(リブシー)が紙を開くとそれはある島の地図だった。
✅片足の男、シルバーと出会う
As I entered, a man came out of a side room and I knew immediately he must be Long John. His left leg was cut off above the knee and he walked with a crutch under his left shoulder. He was tall and strong with a big, smiling face.
Stevenson, Robert Louis. Treasure Island Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.26). Oxford University Press. Kindle 版.
(宿屋に)入ると、隣の部屋から男が出てきた。彼がロング・ジョンで間違いないとすぐに分かった。彼の左足は膝上から切られてなくなっており、左肩の下から杖を付いて歩いていた。彼は顔いっぱいに笑顔を浮かべる男で、背が高く屈強だった。
✅宝の島を見つけるも、波乱の予感…
Although the sun shone bright and hot, I hated the thought of Treasure Island, afraid of what would happen there.
Stevenson, Robert Louis. Treasure Island Level 4 Oxford Bookworms Library (English Edition) (p.40). Oxford University Press. Kindle 版.
太陽は明るく暑いが、宝の島について考えるのは嫌な気分だった。そこで何が起きるか心配だった。
4.さいごに
この記事ではOxford編纂版のTreasure Island (宝島)について、本の概要、あらすじ、英語の難易度などをまとめました。イギリス文学史に残る名作だけあって、ストーリーの面白さは間違いありません。Oxford編纂版は100ページ以下、且つ平易なレベルの単語で書かれていますので、英語学習中級者の方なら難なく読めるものと思います。
冒険、宝探し、航海、海賊など、これらのワードに興味を持った方はぜひ手に取って一読してみることをおすすめします。最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。
おわり
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